肩ロース(810円 ※価格は日により変動)など。さまざまな部位が楽しめるのが魅力/らむ屋 岩本

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2016年から3年連続で輸入量が増加し、関西でも専門店が続々とオープンするなど、ラム肉人気が拡大中。1950〜60年代(1980年代とする説もあり)、2000年代前半に続く今回のブーム。同じ羊肉でも、生後2年以上たったマトンより、生後1年未満のラム肉の方が味や品質から今までも人気だったが、なぜ、再度注目されているのか。しかも冷凍物でない“生”ラムを扱う店が多いのか。その理由を探った。<※情報は関西ウォーカー(2019年1月29日発売号)より>

【写真を見る】生ラム肉にカラフルトマトなどが付いた基本セット(1058円)/ラム肉家 398

■ 保存・輸送技術の発達で品質が以前より大幅に向上

羊肉というと「クセがある」という印象を持っている人も多い。しかし、「らむ屋 岩本」の岩本さんは「それは誤解」と異を唱える。

「ラム肉自体ではなく、一番の原因は保存状態にある」とい岩本さん。「らむ屋 岩本」では、希少な国産を使用しているが、実は日本で消費されるラム肉は今も昔も99%以上がオーストラリアなどからの輸入品。しかし第2次ブーム当時はまだ冷凍技術が低く、冷凍により品質が落ちるうえ、解凍の際に出る血などが肉に混じり合うなどして、独特のクセが出ていた。「そのイメージを持たれている方が多かったんじゃないでしょうか。当店は冷凍物は使用せず、国産なので鮮度のよさが自慢です」

■ クセのない「生ラム肉」がブレイク中

パック技術が向上し、輸入品も冷凍せず鮮度を保ったまま空輸できるようになったことも大きい。「ラム肉家 398」の廣澤さんによると、「店では手ごろな価格にこだわり、オーストラリア産を使用している」とのことだが、肉はクセがなく、甘く柔らかな食感。まさに生の肉を使用しているからこそだ。

■ 赤身肉ブームを受けラム肉のヘルシーさに再注目

品質の向上に加え、近年のヘルシーブームもラム肉の人気のあと押しをしているというのは「和羊・和牛 牛田羊」の相田さん。

「ラム肉は低カロリーで高たんぱく質。最近は赤身肉がブームになりましたが、その流れでヘルシー志向な人に支持されている」。やせ体質を作ると言われる栄養素「L-カルニチン」が多く含まれているため、女性に好評とか。専門店以外にも、羊肉コーナーがスーパーなどにも登場する昨今。ラム肉が牛、鶏、豚に続き食卓に定着するのも、時間の問題では?

■ 数字で見るヒットのポイント

【2万2733トン】農林水産物輸出入統計による2018年11月までの羊肉の輸入量。2016年は約1万9642トン、2017年は約2万1734トンと、3年連続で増加傾向にある。

【8種】「らむ屋 岩本」は、13の牧場から一頭買いするため、ロースやハラミ、カルビ、ランプなど8種の味わいの異なる部位が楽しめる。

【7:3】「和羊・和牛 牛田羊」はラム肉に加え和牛焼肉も楽しめるが、注文される比率は7:3でラム肉が人気。単品メニューだけなら9:1!

■らむ屋 岩本/国内の13もの牧場から羊を一頭買いするから、新鮮でさまざまな部位が楽しめるのが魅力。「『日本の羊を骨の髄まで』がコンセプト。朝5時までやっていますのでぜひ!」(店長の岩本卓麿さん)<住所:大阪市北区曽根崎2-5-27 ルフージュ梅田1F 電話:06-6311-3338>

■ラム肉家 398/味はもちろん、毎日通えるほど価格もお手ごろ。ラムチーズリゾット(735円)などユニークな一品も。「ラム肉は塩かタレから選べます。トッピングにパクチーやチーズ各(410円)もお試しください」(現場責任者の廣澤直也さん)<住所:大阪市中央区東心斎橋1-12-14 電話:06-6245-0398>

■和羊・和牛 牛田羊/旨味の強いオーストラリア産と、国産でも最高級の上品な味の信州新町産サフォーク種を使用。和牛焼肉も。「厳選・生ラム三昧セットはオーストラリア産。(1080円)プラスで信州新町産サフォーク種に変更可」(代表の相田 誠さん)<住所:大阪市福島区福島7-4-24 電話:06-6454-0298>

※各店、料理の価格は1人前。写真は各2人前。(関西ウォーカー・関西ウォーカー編集部)