妊活に必要なもの、先立つものはなんといっても健康。体力、もちろん必要です。そこで今回は体重に注目。ダイエット中の人、適切な体重を維持できていますか?痩せすぎの人、いませんか?妊活とダイエットの関係を笛吹和代さんに聞きました。

BMI22がもっとも健康的

あなたのBMIは今、いくつですか?日本人女性の標準BMIは18.5〜25で、もっとも病気になりにくいとされる値は22です。

では、仮に身長160センチとして、BMI22の体重は?
22×1.6×1.6=56.32キロです。

これが標準的かつ健康的な体重なのですが、56キロと言うと「えっ!?」と抵抗感をもつ女性が多いのではないでしょうか。身長160センチぐらいの若い女性に理想の体重は?とたずねると、50キロ台の返事が返ってくるならいいほうで、45キロとか、44キロとか。驚くほど低い体重を答える人が少なくありません。しかし、これは美容体重以下です。いわゆるモデルさんの体重ですよね。ちなみに美容体重の標準はBMI20。160センチで45キロだったらBMIは17.5しかありません。モデル体重のBMIすら下回っています。

モデル体型への憧れは特に若い女性には根強いものがあります。栄養や運動を含め、バランスの取れたダイエットができれば理想ですが、問題は美容体重のBMIまでも下回るような痩せ方です。

無理なダイエットが続くと生理が止まる

BMIが18.5を下回ってくると、生理が止まるリスクが出てきます。18.5未満の人みなが止まるわけではありませんが、止まるリスクが高まる1つの目安と言っていいでしょう。

ホルモンと脂肪は密接な関係にあります。体脂肪が極端に減少するとホルモン分泌を促す物質が脂肪細胞から分泌されなくなり、結果排卵が止まってしまう為に生理が止まってしまう事になります。

これが短期間のことならまだしも、長く続くことで、身体へのダメージは大きくなります。期間とダメージは比例すると考えていいでしょう。3か月以上、生理が来ないのは「続発性無月経」と呼ばれ、治療対象になります。

これはピルを飲んで排卵が止まるのとはまったく違います。ピルはホルモンを調整することによって排卵をストップさせますが、続発性無月経の場合はホルモンが出て来ない状態になってしまいます。これが続くと、定期的に子宮の内膜を厚くして剥がしてという収縮運動が行なわれなくなり、子宮の機能低下につながるおそれが出てきます。

もちろんBMI18.5未満の痩せすぎでも生理が止まらず、健康上も問題がないという人もいます。妊活も問題なくできる。それでも、痩せすぎの人がいざ妊娠となると、また別の問題が出てきます。

→次回、痩せすぎの人が妊娠すると……に続きます。

無理なダイエットになっていませんか?見直してみましょう。



■賢人のまとめ
モデル体型、美容体重への憧れは根強いものがありますが、BMIが18.5を下回るようだと生理が止まるおそれがあります。妊活に必要な体力を温存するには、実はBMI22ぐらいがちょうどいいのです。

■プロフィール

妊活の賢人 笛吹和代

働く女性の健康と妊活・不妊に関する学びの場「女性の身体塾」を主宰する「Woman Lifestage Support」代表。日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー。臨床検査技師でもある。化粧品メーカーの開発部に勤務中、29歳で結婚。30代で不妊治療を経て出産。治療のために退職した経験から、現在は不妊や妊活に悩む女性のための講座やカウンセリングを行なっている。