死んだと思っていた飼い猫と10年ぶりに再会した女性(画像は『BBC News 2019年1月23日付「Cat missing for 10 years ‘taken in by neighbour’」(ALEX ELLIOTT)』のスクリーンショット)

写真拡大

何年もの間、行方不明になっていたペットと飼い主が再会するというハッピーなニュースが報じられることがあるが、このほどイギリスで10年間行方不明になっていた猫と再会した飼い主が、その猫が自宅からほんのわずかな距離で飼われていたことにショックを受けている。『BBC News』『Metro』などが伝えた。

イースト・ライディング・オブ・ヨークシャーのハットン・クランズウィックに住む2児の母アレックス・エリオットさん(39歳)は、このほど10年ぶりに飼い猫リリー(15歳)と再会し、その喜びを露わにした。

アレックスさんは、子猫だったリリーを2004年に救済センターから引き取って以来、大切に育ててきた。しかし2009年に、リリーは自宅から出て行ったのを最後に姿を消した。その少し前にもリリーは2週間ほど家を空けたことがあったが戻ってきたことから、アレックスさんは2度目にリリーがいなくなってもすぐにはパニックにならなかった。しかし数日が過ぎてもリリーは戻ってくることはなく、アレックスさんは村中にポスターを貼り、近隣住民らにリリーのことを尋ねたり、Facebookに投稿し、動物病院にも問い合わせをした。だがリリーの行方は掴めず、車に轢かれて死んだのではと思うようになった。戻ってこないリリーを思いながら悲しむうちに年月が経つこと10年。この間、実はリリーはアレックスさん宅のすぐ近くで飼われていたのだ。それが判明したのは今年の1月のことだった。

ハルの病院で緊急外来の看護師をしているアレックスさんは、休憩時間中に携帯電話をチェックすると地元の動物病院からメッセージがあることに気付いた。それはリリーがまだ生きていることを知らせるもので、アレックスさんは大きなショックを受けた。

リリーは、アレックスさん宅から通りを数本隔てたわずか370メートルほど離れた男性の家で飼われていた。犬も飼っているというその男性は、リリーを野良猫だと思ったようで拾って飼い始めたそうだ。しかしもう必要としなくなったことから、男性はRSPCA(英国王立動物虐待防止協会)へリリーを引き取ってほしいと連絡。スタッフが引き取りに出向き、ブリドリントンの動物病院へ連れて行ったところ、リリーに埋め込まれてあったマイクロチップからアレックスさんの携帯電話番号が判明した。アレックスさんはリリーを飼い始めた2004年にきちんとマイクロチップを埋め込んでいたのだ。今回、愛猫と思わぬ再会を果たしたアレックスさんは、このように喜びを語った。

「連絡を受けて『リリーは生きている』と言われても、実際にその姿を見るまでは信じられない気持ちでした。リリーがいなくなったのは10年も前で、末の娘はまだ生まれてもいませんでしたから。飼われていた家が目と鼻の先だったことには大きなショックを受けています。男性の家の前は、娘のエミリー(10歳)とケイト(7歳)の学校の送迎で毎日通っているんですよ。男性はきっとリリーを家の外には出さなかったんでしょう。リリーは健康状態は良かったのですが毛並みが荒く、あまり愛情を注いで撫でてもらっていなかったのかもしれません。もしそうだったら、10年間も離れていたことを余計に辛く思います。」

アレックスさんによると、10年ぶりに我が家へ戻ってきたリリーは一家が飼っている他の4匹の猫とも仲良くやっているという。また、リリーが行方不明になった時に1歳だったエミリーちゃん、そしてリリーのことを写真でしか知らなかったケイトちゃんも動物が大好きで、リリーをとても可愛がっているそうだ。アレックスさんは「リリーは、我が家ですっかり落ち着きを取り戻しました。もうおばあちゃん猫なので他の猫たちにはゆっくりと紹介したんですが、うまくやっています。私が他の飼い主に改めて伝えたいのは、マイクロチップを埋め込んであげてほしいということです。そしてもし、自分の猫じゃないなら餌をやらずに動物病院かRSPCAに連絡してください」と話している。

画像は『BBC News 2019年1月23日付「Cat missing for 10 years ‘taken in by neighbour’」(ALEX ELLIOTT)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)