アメリカの健康専門誌『ヘルス』が、日本の大豆(特に納豆)を「世界5大健康食品」のひとつに選定したのが2006年(※1)。いまや日本の「Natto」は、その栄養価の高さから世界で注目される食品となっています。

欧米やアジアのスーパーでも売られるようになり、醤油や味噌、豆腐に続く日本発のグローバル・フードとして認められつつある納豆。今回は、韓国・中国・アメリカ・フランスの納豆事情をご紹介します。

韓国の納豆市場は10年で10倍に

アジア諸国のなかでもとくに、納豆市場が広がりをみせているのが韓国です。2005年から韓国食品メーカーの参入がはじまり、2016年には市場規模が10年前の10倍、なんと24億5千万円に拡大したといいます。

もともと韓国には、納豆に似た大豆発酵食品「チョングッチャン」がありました。しかし、2016年には「チョングッチャン」と比べて、納豆の市場規模のほうが大きくなったとのこと。大人気の日本アニメの影響で、納豆を食べたくなった人も多いそうです。

中国では富裕層が「健康食」として注目

中国では健康に意識が高い富裕層を中心に、納豆が人気を呼んでいるとのこと。以前は納豆そのものよりも、納豆由来の健康成分である「ナットウキナーゼ」のほうが有名で、日本への旅行で“爆買い”する人も多かったとか。

しかし現在では、内陸部のスーパーで中国産の納豆を購入できるほど、納豆の存在が一般的になってきています。中国の情報番組で「日本人の長寿のカギは納豆」と紹介されたこともあり、今後も人気が高まりそうです。

「糸が引かない納豆」がフランスの見本市で評判に

欧米では敬遠されがちだった納豆。その最大の理由は、独特のニオイと糸を引く粘りにありました。

そこで茨城県内の納豆メーカーが連携し、粘りを少なくした納豆「豆乃香」を開発。2016年に、外食産業のプロが集まるリヨンの見本市「Sirha2015」に出品したところ、「混ぜると粒がパラパラほどけ、スプーンでも食べやすい」と大好評だったとか。

とはいえ一般的にはまだ、「日本食は大好きだけど、納豆は苦手」という人が多い様子。フランス人がフランス産大豆を使って作る「ドラゴン納豆」というブランドもありますが、パリ郊外在住の知人が確認したところ、3つで20ユーロ(約2,600円)とかなり高価だったそう。

今後、さらにフランス人好みの納豆の開発が進めば、納豆が一般家庭の食卓に登場する日がくるかもしれません。

ニューヨークでは発酵食とプロバイオティクスが話題に

これまで納豆といえば、冷凍品がほとんどだったというニューヨーク。しかし近年、発酵食とプロバイオティクス(善玉菌)がホットな話題となり、納豆にもブームの兆しがあるといいます。

健康意識の高いニューヨーカーにとっては、丈夫な骨づくりに欠かせないビタミンKが豊富であることも納豆の魅力。気になる粘りを減らそうと、わざわざ洗い流して食べる人もいるのだとか。

とくに評判が高いのが、ブルックリン発の「NYrture」という瓶詰めの納豆です。作っているのは、微生物学者のアン・ヨネタニさんという日系二世の女性。米国東部で最初に納豆を作り始めた会社として注目され、ニューヨークタイムズの取材も受けています。

ニューヨーク在住のカヒミ・カリィさんのレポートによると、ひと瓶11ドルと安くはないものの、「お世辞抜きで本当においしい」とのこと。

欧米ではパンやパスタにかけたり、サラダに入れたりして食べる人が多いという納豆。世界各地で納豆が食され、作られるようになったら、また新たな味わいや食べ方が生まれてきそうです。

※1 そのほかは韓国のキムチ、スペインのオリーブ油、ギリシャのヨーグルト、インドのレンズ豆。

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文/田邉愛理、企画・構成/寺田佳織(マイロハス編集部)、image via shutterstock、Photo by Getty Images