PayPayキャンペーンでの失敗を振り返る田中氏

写真拡大

「働き方改革」に伴い、政府も副業を後押しする昨今。スキマ時間に手軽にできるものから、まとまった元手や時間を要するものまで、その内容は多種多様だが、果たしてその明暗を分かつものは何なのか?

◆奥さんと2人で50万円分のダイソン製品を仕入れたものの…

 都内に戸建て住宅と車を所有し、専業主婦の妻と3人の子供を持ちながら、週末には趣味のゴルフを満喫する余裕まであるという田中悠輔氏(仮名・40歳)。本業の年収は500万円ほどだが、ローリスクなクラウドワークスの案件やシェアリングサービスの運用といった副業を複数手掛け、毎月10万円超の収入を安定的に得ている。大企業の正社員であっても収入がなかなか伸びないこのご時世になんとも羨ましい話だが、そんな副業の上級者である田中氏が「完全に失敗しました」と苦笑するのが、20%ポイント還元で先月大きな話題となったPayPayの「100億円あげちゃうキャンペーン」を利用した転売だ。

 昨年12月3日(月)から13日(木)の10日間で終了した同キャンペーン。「タイガー」の炊飯ジャーや「PHILIPS」の電動歯ブラシなど、メーカーの実施する全額返金キャンペーンなどと併用して、ポイントだけ実質タダで得ようとする人も続出。当該メーカーが「PayPayを利用して決済した場合は、購入金額から20%差し引いた金額を返金する」といった注意事項を追加する事態も起こった。そうした熱狂の最中に田中氏が考えたのは、ビックカメラで「ダイソン」製品をPayPayで購入し、転売業者に売りつけるという方法。転売時の買い取り価格だけなら数千円の赤字だが、20%の還元ポイントとビックカメラポイントを勘案すれば、1台当たり1万円弱の儲けが出ると目論んだという。

「7日(金)の仕事終わりにビックカメラに行き、何台まで買えるか確認しました。『100台まで大丈夫』との店員さんの言質を得たので、翌日に妻と一緒に合計10台以上、約50万円の商品の仕入れに行ったんです」

 しかし、事態は田中氏のプラン通りには推移しなかった。購入時に改めて確認したところ、実際に商品が届くのが3日後の11日(火)。買い取り価格の変動が心配になって週明けの10日(月)、慌てて業者に連絡したところ、同製品の買い取りそのものがすでに終わった旨を伝えられた。

「その業者さんは普段からよくお世話になっていて、買い取り額が一番高い。ほかの業者だと、1万円ほどは買い取り価格が低く、全然モトが取れないのでかなり焦りましたね。結局、なんとか返品することができたので大きな損害にはならなかったのですが、とても嫌な汗をかきました」

 見込んだ儲けも一切得られず、返品作業など余計な労力を費やすのみとなってしまった田中氏。価格変動のリスクが大きく、生き馬の目を抜くような転売には、時間の制約が生まれてしまう会社員はやはり不利な面が否めないようだ。

「反省点として、3日(月)にスタートしたキャンペーンで、8日(土)に買ってどうこうするというのは、やはり遅すぎましたね。遅くともキャンペーンが開始した翌々日の5日(水)にはビックカメラに走らないといけませんでした」

◆皮算用に終わった「20%還元×覆面調査×忘年会」の合わせ技

 しかも、田中氏がこうむった痛手はそれだけではない。

「ビックカメラで店員さんにPayPay効果で売り上げが爆発的に伸びていると聞き、キャンペーン開始から1週間後に勢いでビックカメラの株を買ったんですが、これも遅かったですね……。キャンペーンが終わって株価もガクンと下がりました。長期的に見ればわかりませんが短期で狙ったので、金額的には転売失敗以上こちらのほうが痛いです」

 さらに田中氏は一般客のフリをして事前に渡されたチェック項目に沿い、飲食店のサービス内容などを調査する覆面調査の副業でも、PayPayの活用を考えていたという。