1月27日、東京競馬場ではGIII根岸S(ダート1400m)が行なわれる。

 このレースは、2月17日に東京で行なわれる、今年最初のGIレース・フェブラリーS(ダート1600m)の前哨戦だ。昨年のノンコノユメ、2016年のモーニン、2005年のメイショウボーラー、2001年のノボトゥルーがこのレースとフェブラリーSを連勝。その他、2012年の根岸S3着のテスタマッタが、続くフェブラリーSを勝利しているなど、重要なステップレースになっている。

 今年も楽しみな馬が揃っているが、馬券の中心として手堅そうなのがサンライズノヴァ(牡5歳/栗東・音無秀孝厩舎)だ。同馬は昨年の根岸S2着馬であり、東京のダートコースではGIIIユニコーンS(ダート1600m)、GIII武蔵野S(ダート1600m)と、重賞2勝を含む7勝を挙げている。


昨年11月に武蔵野Sを制したサンライズノヴァ

 中でも、1400mでは4戦2勝で2着2回と、連対率100%。2勝はいずれも10月に行なわれたオープン特別のグリーンチャンネルCで、2017年のレースでは上がり3F34秒7という強烈な末脚で差し切っている。後方からレースを進める追い込み馬だが、良馬場でも重馬場でも関係なく上位争いをしており、昨年は8戦3勝2着3回。GI以外では連対率100%と、安定感は抜群だ。

 血統を見ると、叔父サンライズバッカスがフェブラリーS勝ち馬。同馬もサンライズノヴァと同じ音無秀孝厩舎で、3歳時から重賞戦線で活躍しながら、5歳にしてGI初制覇を果たしている。

 音無秀孝厩舎の馬は、過去に2007年皐月賞馬ヴィクトリーなどもいるが、昨年、5歳で宝塚記念を勝ったミッキーロケット、2009年に8歳で天皇賞・秋、マイルチャンピオンシップを勝ったカンパニー、2006年に6歳で高松宮記念を勝ったオレハマッテルゼなど、遅咲きのGI馬が多い。サンライズノヴァもここまで19戦と、十分な経験を積み重ねながら充実期を迎えているようで、今年は念願のGI制覇が期待される。まずはこのレースで、その勢いをつけたい。

 一方、人気が予想される2頭、コパノキッキング(せん4歳/栗東・村山明厩舎)とマテラスカイ(牡5歳/栗東・森秀行厩舎)はどちらも今回は不安がある。前走のGIIIカペラS(中山・ダート1200m)を制したコパノキッキングは、全6勝が全て1200m以下で、敗れた2戦はいずれも1400m。東京コースどころか左回りも初となる。

 マテラスカイは昨年のGIIIプロキオンS(中京・ダート1400m)で日本レコードを叩き出した馬だが、東京ダートは2戦して11着、10着と大敗。ハナを奪えないと脆いという欠点もある。さらに昨年挙げた4勝は、すべて馬場の状態が稍重(ややおも)〜重だったこともあり、パサパサの良馬場になると不安要素が増す。サンライズノヴァの相手はこの2頭以外で探したほうがよさそうだ。

 そこで狙いたいのがユラノト(牡5歳/栗東・松田国英厩舎)だ。同馬は重賞未勝利と実績では劣るが、今回と同じ東京・ダート1400mで行なわれた昨年の麦秋Sを勝利し、武蔵野Sで4着に入っている。

 前走のギャラクシーS(阪神・ダート1400m)は好位追走から直線で鋭い末脚を見せたが、逃げたゴールドクイーンをハナ差で交わせず惜しい2着だった。しかし、走破タイムは1分21秒5と優秀で、ここにきての地力強化が感じられる走りだった。

 血統は、母コイウタがGIヴィクトリアマイル勝ち馬。また、近親にはGIII平安Sなどダート重賞2勝、昨年のGIチャンピオンズC3着のサンライズソアら、多くの活躍馬がいるファミリーだ。良血開花の重賞初勝利といきたいところである。

 以上、今回はサンライズノヴァを中心にして、ユラノトを相手に馬券を組み立てていきたい。