若かりし頃から様々な経験を積んできた吉田。冨安に期待を懸けているからこそ、より高いレベルを求めている。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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[アジアカップ・決勝トーナメント1回戦]日本 1-0 サウジアラビア/1月21日/シャルジャスタジアム

 吉田麻也も若き守備者の出来に賛辞を送った。
 
 1月21日に行なわれたアジアカップの決勝トーナメント1回戦。日本は過去3度の優勝を誇るサウジアラビアに対し、劣勢を強いられた。ボールを保持され、ゴール前で好機を作られたのは1度や2度ではない。その重苦しい展開で存在感を示したのが、20歳の冨安健洋だった。身体を張った守備でチームのピンチを救えば、20分にはCKから得意のヘッドで決勝弾。攻守に渡って抜群の存在感を示し、東京五輪世代の成長株はサウジアラビア戦の殊勲者となった。
 
 圧巻のパフォーマンスに多くの人が舌を巻いたに違いない。吉田麻也もそのひとりである。試合後、CBでコンビを組む相方について聞かれると、「いやいや僕よりも全然良いと思いますよ」と手放しで称賛した。

 では、冨安のどこが素晴らしかったのか。吉田は攻撃に関して「こういう堅い試合はセットプレーがものを言うので、よく取ってくれました」と決定力に目を細め、守備に関しても安定した戦いぶりを讃えた。
 
 ただ、吉田はサウジアラビア戦のプレーを続ける必要性があるともいう。
 
「1試合で評価されるポジションではない。もちろん今日は点を取って評価されるパフォーマンスだったと思いますが、これを続けていくことが大事ですし、逆に言うとワンプレーで評価がグッと落ちるポジションでもある。その難しさはCBにはどうしても付き纏うので、高いパフォーマンスを維持することが大切だと思います」
 
 目を見張る出来を見せた冨安に次なる課題を提示した吉田。森保ジャパンを束ねる主将は日本の将来を担うCBのさらなる成長を心待ちにしている。

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