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ー 当時そのままの状態を保つ極上品
ー 再び公道へ

当時そのままの状態を保つ極上品

以前の記事で走行距離210kmのプジョー309 GTiがオークションに登場するとお伝えしたが、またもや程度が非常に良いハッチバックが競売に掛けられることとなった。

今回はご紹介するのは未登録の1978年型フォード・フィエスタ950。走行距離はたったの226kmだが、このクルマはただの未登録車ではない。

全てが新品同様な状態のこの車体はロンドンにある国立科学産業博物館のサイエンス・ミュージアムにて1980年から2017年まで展示されていたのだ。

車体番号BAFBUM58259は1978年7月に生産され、フォード・パーソナル・インポート・エクスポート・リミテッドにデリバリーされた。2年後、サイエンス・ミュージアムがこの個体を購入したという経緯だ。

サイエンス・ミュージアムの医療技術の進歩を紹介する常設展に、老人がクルマの乗り降りをしやすくする支援技術の紹介としてフィエスタは2015年まで展示されていた。

のちに展示フロアが改装されることが決定し、フィエスタは博物館倉庫にて保管されることとなった。博物館のトップはフィエスタを撤去しようとしたが、リフトが小さすぎて入らず、分解するしかないと考えていたようだ。

再び公道へ

幸いなことに、博物館にて働いていたダレン・ウィズドムという職員が治具を自作し、搬出作業を容易にした。その後フィエスタは再び外の世界に出て、初めてMoTテスト(日本でいう車検よりも少々緩いテスト)を受けることとなった。

英国運輸省運転免許庁認定の自動車クラブ、フォードGT・ヒストリック・レジスターのポール・キンガムはこのフィエスタをチェックし、「すべての主要部品が本物で当時モノです。シャシーやサスペンション、ステアリング、トランスミッション、エンジンもそうですが、塗装も驚くべきことに当時のままです」と語った。

2018年6月29日にウィズドムはリチャード・ジョーダンという男性に1万1550ポンド(163万円)でこのフィエスタを売却した。

今回のオークションでは予想価格が6500〜8500ポンド(91万8000〜120万円)となっているが、果たしていくらで落札されるだろうか。

この極上なフィエスタが気になる方は2月2日にH&Hクラシックスが初めて開催されるオンライン・オークションを覗いてみると良いだろう。

H&Hクラシックスのセールス部門トップ、ダミアン・ジョーンズは「他では滅多に見ることのない、正真正銘の当時モノなフィエスタです。おそらくフォード・フィエスタMk1の中では最も走行距離が少ない個体でしょう」と語った。