フィリップ殿下の事故に巻き込まれた被害者女性(画像は『Mirror 2019年1月19日付「Prince Philip crash victim wants royal prosecuted if found to be at fault」(Image: Stan Kujawa/Mirrorpix)』のスクリーンショット)

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エリザベス女王の夫、エディンバラ公フィリップ殿下(97歳)が交通事故を起こしたニュースは各地で伝えられるところとなったが、殿下は事故の翌日に破損した車と同じランドローバーを調達させ、事故から48時間も経っていないにもかかわらずシートベルトなしで運転。これを受けて、殿下の事故に巻き込まれた被害者女性のひとりが、殿下から何の謝罪もなかったことをメディアに打ち明け、涙ながらに「もう運転はやめてほしい」と怒りを露わにした。『Mirror』『The Sun』などが伝えている。

1月17日午後3時前、エディンバラ公フィリップ殿下が運転するランドローバーが、エリザベス女王と同殿下の所有するノーフォーク州サンドリンガムの別邸敷地内の私道から国道へ出ようとした時、国道を走行してきた起亜自動車の乗用車に衝突した。殿下は太陽に目が眩み、コントロールを失ってしまったようだ。また運転時、殿下はシートベルトを装着していなかった。

横転したランドローバーから「脚が…脚が…」と叫ぶ殿下を引っ張り出したのは、現場をちょうど走っていた同州ソーナムに住む法廷弁護士ロイ・ウォーンさん(75歳)だった。ロイさんは妻ヴィクトリアさん(72歳)と事故を目撃し、すぐに駆けつけた。殿下を車内から引っ張り出した時に、ロイさんは殿下の血が手についたのを見てショックを受けたそうだ。ヴィクトリアさんによると、殿下は「私はなんて愚かなんだ」と口にして震えながら10分ほど放心しており、やがて「他の人たちは大丈夫か」と衝突した車の相手を気に掛ける言葉を発したという。

その後、殿下は病院へ搬送され検査を受けたが、切り傷と痣がある程度の軽傷で済んだ。だが、相手側の車に乗っていた女性運転手(28歳 名は非公開)は膝を切る怪我をし、同乗者で2児の母エマ・フェアウェザーさん(46歳)は手首を骨折した。後部座席には女性運転手の生後9か月になる男児がいたが、奇跡的にも無傷だった。3人は事故の後キングズ・リンのクイーンエリザベス病院で検査と治療を受け、同日には退院した。現場には割れたガラスの破片や損傷した車の一部が散らばっており、誰一人として命に別状がなかったものの一歩間違えば惨事となる事故だっただけに、高齢でシートベルトも装着していないフィリップ殿下には世間から批判の声もあがった。

しかし殿下は翌18日に、事故で破損した車と同じランドローバーを早速サンドリンガム邸に調達させ、事故から48時間も経っていない19日には、再びシートベルトを装着せず自ら運転する姿が目撃された。宮殿関係者は「殿下は運転に必要だからと代わりの車を望まれました。殿下は、もう運転しないとはお考えになられていないようです。しかし再度運転する前に視力検査を受けた方がいいと勧められ、早速お受けになりました。運転に支障はないと診断されると、殿下はすぐに車のキーを手にして運転されていました」と話している。これを知ったエマさんは、メディアで涙ぐみながら怒りを露わにした。

「王室は、殿下が運転を続けるべきか否か考慮すると報じられていたので、殿下が懲りずにまだ運転しているのを知って唖然とし、不快に感じました。それに、またシートベルトをしていないなんてショックです。事故の後も王室からは何の連絡もありません。女王が多忙なのはわかりますが、もしかして夫が起こした事故についての謝罪の電話があるかなと思ったのです。でも、派遣された警察官を通して『女王と殿下はあなたのことをお考えになっております』という淡白なメッセージを寄越しただけですよ。謝罪でもないし怪我の回復を祈る言葉でもありません。多分、殿下の新車の試運転が問題ないかどうか、という方が王室にとっては優先事項なのでしょう。でも、殿下は一介の高齢者で自分が運転しないと食料の調達もできないという身分ではないでしょう。自身が運転せずとも他に選択肢はあるはずです。私はこれまで殿下の人生をリスペクトしてきましたが、こんな事故を起こされたとあっては、殿下は車の運転を止めるべきか、新たに試験を受けさせるべきです。不注意運転で事故を起こして法を犯したのだから、一般市民同様に罰せられてもいいと思います。」