中国人にとって世界で通用する高速鉄道は、誇り高い存在といえ、ライバル視される日本の新幹線と比較する特集記事が良く見受けられる。今回は、韓国の高速鉄道KTXについて・・・(イメージ写真提供:123RF)

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 韓国にはフランス・TGVの技術を導入した高速鉄道「KTX」が存在する。新幹線とも中国高速鉄道とも違う独自のサービスを提供しているKTXだが、中国メディアの今日頭条はこのほど、韓国を訪れてKTXに実際に乗車した中国人の手記を多くの写真とともに掲載し、「韓国を訪れる中国人旅行客が激減したことで、KTXの乗客も減少したようだ」と伝えている。

 記事は、韓国国内を移動する際には飛行機や鉄道、バスだけでなく、中国と同じように「高速鉄道」という選択肢も存在すると指摘し、江陵線であればソウル駅から終点の江陵までを1時間54分で結び、乗車券は2万7600ウォンだと紹介。江陵線は2017年12月に開通した新しい路線だが、特に新しさは感じられず、車両の外観も普通の鉄道車両と大差ないと主張した。

 さらに、車内の座席スペースも中国高速鉄道と比べてさほど広くなかったと主張する一方、車内は非常に清潔だったと指摘した。また、中国高速鉄道とは「乗車券の買い方」も異なっていたとし、乗車券さえ持っていればそのまま駅ホームに行けば良く、乗車券の確認はなかったと紹介した。中国では高速鉄道の乗車券はすべて実名制となっているほか、乗車の前には手荷物の安全確認が行われるため、こうした確認がなかったことに面食らったようだ。

 また記事は、KTXでは車内で軽食やミネラルウォーターが無料で配られると伝えたほか、やはり無料のWi−Fiサービスもあって便利だったと指摘した。

 一方、中韓関係が2016年のTHAAD(高高度迎撃ミサイルシステム)配備を巡って悪化して以降、中国人旅行客は大幅に減少し、今も完全には回復していないと指摘し、これはKTXの車内でも見て取れたと主張。毎月一定数の中国人旅行客が韓国を訪れているが、この数字には韓国製品を中国国内で転売するため、韓国に買い付けに来ているブローカーが数多く含まれているとし、実際にKTXの車内には中国人旅行客の姿はほとんどなく、駅のホームも乗客がほとんどいなくて、非常に寂しい状況だったと伝えた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)