映画ファンが面白い!と高評価する、大どんでん返しなど予想もつかないラストや、ゾッとするような人の怖さを描いた傑作サスペンス映画をまとめて紹介。

羊たちの沈黙』(1990)

映画史に「ハンニバル・レクター」という殺人鬼の名を刻み付けた最初の作品。元精神科医の囚人レクター博士が明晰な分析力を発揮し、FBIアカデミーの実習生クラリスと事件を解決していく。

第64回アカデミー賞作品賞・主演男優賞・主演女優賞・監督賞・脚色賞と、主要部門を総なめにした。アンソニー・ホプキンスとジョディ・フォスターの共演と、ジョナサン・デミ監督の演出が織りなす珠玉のサスペンス。

『ユージュアル・サスペクツ』(1995)

現場から消えた大量のコカインと現金。事件を知る男の証言から浮上した「カイザー・ソゼ」という謎の存在。スリリングな展開とすべての観客が騙されるラストは公開当時話題となった。

本作でケヴィン・スペイシーは第68回アカデミー賞助演男優賞を受賞。巧みな脚本で脚本賞を受賞したクリストファー・マッカリーは監督としての活躍もめざましく、ブライアン・シンガー監督の出世作となった。

『セブン』(1995)

「七つの大罪」をなぞった連続殺人事件が発生する。事件を追うベテランと新人の刑事は次第に犯人像を摑んでいくが、事件は思わぬ展開に。誰もが衝撃を受けるあまりにショッキングなラストとは……。

監督は『ゴーン・ガール』などの名匠デヴィッド・フィンチャー。その後ヒットメーカーとして数々のサスペンスを手掛けることになるフィンチャーの原点といえる作品。豪華俳優陣の名演も必見。

『エスター』(2009)

コールマン一家は「エスター」という名の少女を孤児院から引き取る。それがすべての始まりだった。次第に少女の本性が明らかになり、一家は思わぬ恐怖を体験することに……。

監督は低予算スリラーに定評のあるジャウム・コレット=セラ。恐るべき少女エスターを怪演したイザベル・ファーマンは本作が出世作となった。

『ドラゴン・タトゥーの女』(2011)

スウェーデンの財閥一家に隠されたおぞましい過去。その歴史の闇に隠された少女失踪事件を追うジャーナリストと、謎の女が真実を突き止める、猟奇的なミステリー作品。

スティーグ・ラーソンの世界的ベストセラーを、『セブン』などのデヴィッド・フィンチャーがスリリングな映像感覚で映画化。第84回アカデミー賞編集賞受賞。

『プリズナーズ』(2013)

小さな工務店を営むケラーの娘がある日突然失踪してしまう。警察は容疑者をあげるが、証拠不十分ですぐに釈放されてしまう。しかしケラーだけは犯人だと確信し、一人で捜査を進めていく。

監督は昨年、『ブレードランナー 2049』で話題となった気鋭ドゥニ・ヴィルヌーヴ。愛娘を奪われた父ケラーをヒュー・ジャックマンが、刑事をジェイク・ギレンホールがそれぞれ好演。

『ゴーン・ガール』(2014)

結婚5周年の記念日の朝、突然妻エイミーが失踪する。キッチンからは大量の血痕が。警察は他殺の線を視野にいれ捜査を開始する。だが、夫ニックも容疑者の一人となり窮地に立たされる。妻のエイミーに一体何が起こったのか……。

全米で600万部の大ベストセラーとなったギリアン・フリンの同名小説を『セブン』などのデヴィッド・フィンチャーが映画化。フィンチャー作品特有の予測不可能なラストは、本作でさらに磨きがかかっている。

『哭声 コクソン』(2016)

平和な田舎の村に謎の男がやって来ると、村人が自分の家族を次々殺害していくという、惨劇の数々が起きる。よそ者の噂とともに事件の謎は深まり、誰も想像できない結末へ走り出す……。

謎の男を國村準が怪演し注目を集めた。監督は『チェイサー』などのナ・ホンジン。「疑え、惑わされるな」というキャッチコピーの通り、追い詰められる心理を秀逸に描いた作品。

『クリーピー 偽りの隣人』(2016)

犯罪心理学者の高倉は6年前に起きた一家失踪事件の分析をしているが、なかなか解決の糸口が見つからないでいた。そんな時に奇妙な隣人家族が近所に引っ越してくるのだが……。

監督は、Jホラーの巨匠黒沢清。主人公の高倉は黒沢作品の常連・西島秀俊。隣人家族の父親を香川照之が怪演。"黒沢映画"らしいラストの急展開は見物。

『エル ELLE』(2016)

ゲーム会社の経営者ミシェルはある日、自宅で暴漢に襲われる。過去のトラウマが記憶を巡る中で、しだいに彼女は自身の思わぬ本能の目覚めに気がついていく。

主演はフランスの名優イザベル・ユペール。監督は『インビジブル』など、数々の傑作サスペンスを世に送り出してきたポール・ヴァーホーヴェン。第74回ゴールデングルーブ賞 外国語映画賞、主演女優賞(ドラマ部門)受賞。

『怒り』(2016)

八王子で起きた夫婦殺人事件の犯人は顔を整形し、今なお逃亡を続けている。事件から一年後、3つの都市で身元の知れない3人の男が現れる。その3人は、新たに公開された、夫婦殺人事件の犯人の顔とどことなく似ていた……。

吉田修一の原作を、『悪人』などの李相日が映画化。渡辺謙、森山未來、松山ケンイチ、綾野剛、広瀬すず、宮粼あおい、妻夫木聡とオールスターキャストが集結し、第40回日本アカデミー賞 11部門にて最多受賞。

『22年目の告白 私が殺人犯です』(2017)

未解決の連続殺人事件で時効となった犯人が、突如表舞台に姿を現す。メディアが発信する殺人の告白。その美しい犯人の姿にすべての人が惹き付けられ、そして欺かれていく。日本中を巻き込む殺人の告白の真相とは? 先の読めない結末に向かって事件が再び動き出す。

韓国映画『殺人の告白』(12)をリメイクした作品。監督は『日々ロック』などの入江悠。犯人役に藤原竜也、逮捕寸前で犯人を取り逃がした刑事を伊藤英明が熱演。

『三度目の殺人』(2017)

敏腕弁護士の重盛は、殺人の前科者で死刑判決を免れない三隅の裁判を担当することになった。勝ちにこだわる重盛は、どうにか無期懲役に持ち込みたい。調査を進めるうちに思わぬ事実が明らかとなっていく。彼はなぜ殺したのか?

『そして父になる』以来となる是枝裕一監督と福山雅治の再タッグ。役所広司、広瀬すず共演。第41回日本アカデミー賞主要部門受賞。

『ゲット・アウト』(2017)

アフリカ系アメリカ人のクリスが白人の恋人の実家に招待される。そこでは黒人の家政婦が雇われ、パーティには白人ばかりが出席している。クリスは違和感を覚えるのだが……。

本作が監督デビュー作となるジョーダン・ピール監督作品。散りばめられた違和感がショッキングに繋がっていく怪作。第90回アカデミー賞脚本賞受賞。

『スリー・ビルボード』(2017)

最愛の娘が殺害されたにも関わらず捜査は一向に進展しない。深い憤りを抱いたミルドレッドは地元警察へ抗議するために3枚の広告看板を設置する。そうして事態は思わぬ方向へ……。

監督は鬼才マーティン・マクドナー。第90回アカデミー賞主演女優賞・助演男優賞受賞。主演のフランシス・マクドーマンドは『ファーゴ』以来2度目の受賞となった。

『ウインド・リバー』(2017)

ネイティブ・アメリカンの保留地で少女の凍死体が発見される。地元のハンターであるコリー・ランバート協力のもと、新人FBI捜査官ジェーン・バナーが捜査を開始する。

『最後の追跡』の脚本家テイラー・シェリダンの監督デビュー作。第70回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門監督賞受賞。ジェレミー・レナーとエリザベス・オルセンの共演は必見。

【文/チャーリー】

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