リスクの大きい場所を知っていれば事故の減少も可能

 できれば避けたい交通事故だが、交通事故のリスクは条件によって大きく変わる。

 たとえば、基本的に季節の変わり目は事故が多い。交通事故総合分析センターのデータによると、1年で一番事故が多いのは、12月。平成29年の12月の交通事故は約45000件で、3月と10月の41000件がこれに続く。過去のデータを見ると、7月も事故が多い月で、反対に1月、2月、4月、9月は事故が少ない。年末や年度末は世の中全体がせわしなく、季節の変わり目は体調を崩す人も多い時期なので、こうした季節はとくに安全運転への意識を高めておく必要があるだろう。

 また、昼夜でいえば、交通事故全体の約73%は昼間の事故だが、死亡事故だけで見ると、夜間の事故が約49%となり、夜間の事故の方が重大事故になりやすい傾向がある。

 曜日別では金曜日が一番人身事故が多く、日曜日が一番少ない。さらに薄暮時間(日没前後の1時間)の死亡事故は、昼間の4倍、雨天時の時間当たりの事故件数は、晴天時の約5倍も高いというデータもある。

 雨の日の事故が多いのは、視界が悪い、交通量が増える、といった原因もあるが、やはり路面が滑りやすくなるのが大きい。摩擦係数で比較すると、舗装路のドライ路面がμ=0.8前後なのに対し、ウエット路面が0.6〜0.4と半分近くになるため。ちなみに積雪路の摩擦係数は0.5〜0.2、氷結路は0.2〜0.1となる。

橋の上は外気温が0度にならなくても凍結の危険性!

 もう少し、細かく具体的にみていくと、冬の時期は橋の上が非常に危ない。水は0度で氷になることは知られているが、道路の場合、外気温が+3度程度でも、路面上の水分が凍結している可能性がある。そのため、輸入車などを中心に、外気温が+3度を下まわったことを知らせる「路面凍結警告灯」がついているクルマが増えてきている。とくに橋の上は、道路の下がスカスカなので、普通の道路より凍結しやすいので要注意。

 冬の時期に限っていえば、コートなどの裾がドアに挟まりやすいので、人を降ろしたあとの発進時は注意を払いたいところ。

 高速道路のジョイント部も鉄製で滑りやすく、ギャップがあるので、トラックなどから積荷がこぼれるリスクもある!?

 街中では、渋滞中の対向車線から人や自転車が飛び出てくることもあるので気を付けたいところ。

 雨天、片足、いや片輪だけ水たまりに入るのも、足を取られて危険な思いをすることもあるし、タクシーや宅配便のトラックも、追わぬところで停車することがあるので、車間距離は広めにとっておきたい。

 自転車もけっこうハイペースで走っている人が多いので、自転車のスピードを侮ると危険なことも……。2019年も細心の注意を払って、安全運転を心がけよう。