エンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】

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今季はレイズの若手二刀流マッケイがメジャーデビューの可能性も

 ちょうど1年前、米球界では“二刀流”大谷翔平の可能性について、活発な議論が巻き起こっていた。その多くは、日本では投打の二刀流は通用しても、メジャーでは通用しないだろうという懐疑的な意見だったが、いざ蓋を開けてみれば、大谷は右肘を故障しながらも、投手として10試合に先発し、4勝2敗、防御率3.31、打者としては104試合に出場し、打率.285、22本塁打、61打点、10盗塁という堂々たる成績で、2018年のア・リーグ新人王を受賞した。

 シーズン終了後に右肘靱帯再建手術を受けたため、2019年はDH出場に専念することになった大谷だが、メジャー1年目で米球界に与えた影響は大きい。殿堂入り記者としても知られる名物記者ピーター・ギャモンズ氏は米スポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」で、大谷について「我々が目にした未来、それはショウヘイ・オオタニだ」と記し、近い将来、野球界に二刀流が普及することを予言している。

 記事の中で、ギャモンズ記者は今年の春か夏頃には、レイズの若手有望株で二刀流として育成されているブレンダン・マッケイがメジャーデビューするであろうと言及。投打で優れたマッケイを育成するため、レイズのニック・ネアンダーGMほか首脳陣が日本ハムの育成方針を研究したことを紹介している。

 マッケイは昨季、傘下マイナーで投手としては合計19試合に投げ(17先発)、5勝2敗、防御率2.41の成績を収め、打者としては75試合で242打席に立ち、打率.214、6本塁打、39打点を記録した。記事の中で、マッケイは二刀流としてプレーすることについて「12歳くらいから両方やっている。これが僕にとっての野球だから」と、あくまで自然な選択であることを強調した。

 他にも、二刀流に期待し、推進する声が挙がっている。エンゼルスのブラッド・オースマス監督は「現在の野球界において、選手は投手として活躍しながら、少なくとも指名打者は兼任できると思う」と話し、「高校や大学で投手は最高のオールラウンド選手。彼らの時代はやってくる」と、二刀流が一般的になるであろうと言及。現在は“オープナー”という戦略もあることにも触れながら、2020年に大谷が投手として復活することを心待ちにしているという。

 ギャモンズ氏は最後に「今から4年後、オオタニとマッケイがそれぞれ27歳、28歳になる頃、2人が150イニングを投げ、450打数を記録する姿を目にするかもしれない」と予測。二刀流が普及するであろう未来に思いを馳せていた。(Full-Count編集部)