最近になってよく耳にするようになった「パパ活」という言葉。若い女性がご飯やお小遣いなどを目的に男性と出会い、パパ(パトロン)になってもらう活動のようです。調べてみると、どうやら1回パパとご飯を一緒に食べるだけで、もらえる額は数万円…? 海外旅行やブランド品のプレゼントもあるとか…?気になった編集部は、そんなパパ活の知られざる実態や“お手当”の相場を、パパ活歴3年、現役OLでもある、みおにゃんまるさんに聞いてきました。

今回話を聞いたのは、こちらの現役パパ活女子


【みおにゃんまる】昼はOLとして働くパパ活女子。大学時代にキャバクラでアルバイトを経験し、その後パパ活を開始。Twitterでパパ活について発信をはじめると一気に人気に火がつき、現在はおよそ2万フォロワーをかかえる人気アカウントに。現在パパは10人ほど。

みおにゃんまる(@miochanp_)さん | Twitter
https://twitter.com/miochanp_

改めて「パパ活」とは? “お手当”の相場は1回の食事あたり1〜2万円

みおにゃんまるさんによると、パパ活とは、パパと呼ばれる男性から一緒に過ごす時間に対する対価をもらうもの。その対価は金銭、旅行、ブランド品など人によってさまざまですが、金銭の場合1回の食事(食事代は男性持ち)につき1〜2万円からはじまることが多いよう。パパ活をしているのは女子大生や20代前半の若いOLが中心で、マッチングアプリからはじめる人が多いとのこと。

みおにゃんまるさん:
もともと、港区界隈には「ギャラ飲み」「タク代飲み」と言われる飲み会があったんですよ。

男女複数人で飲みに行って、女性は「タクシー代」の名目で男性からお金をもらい、それで稼ぐわけです。

そこから派生して、1対1になったのがパパ活と考えるとわかりやすいです。

宮内:
タクシー代という名目なら、「家までどのくらい?」と質問できるので、男性側も金額を決めやすいじゃないですか。

パパ活は月1〜2万が基本相場とのことですが、金額交渉はどうされてるんですか?

みおにゃんまるさん:
パパと出会えるpaters」というマッチングアプリがあって、事前にそのメッセージ上で金額についてやりとりすることが多いです。こんな感じですかね!


実際にマッチングアプリを使ってパパと初めて会う時のやりとり

paters(ペイターズ) ~ ワンランク上の上質な出会いを
https://paters.jp/
パパ活をはじめるとなったら、まずはpatersらしいです。

宮内:
うまい!

みおにゃんまるさん:
事前にやりとりのない時は、その場で話しながら決めることもあります。

実際にお手当は、食事している場所が個室ならその場で、そうでなければエレベーターとか、2人になるタイミングでいただきますね。

宮内:
ちなみに、1回の最高額とかって…?

みおにゃんまるさん:
8万円です。封筒で渡されて、分厚いなと思って確認したら8枚入ってて! あの時はテンションがあがりました(笑)。

あとは、「50万円で月契約はどうか」と言っていただいたことがあったのですが、月契約は拘束されたり、ストーカー化されるリスクが高いのでお断りしました。

宮内:
正直言うと、食事以上もあるんじゃないかと思ってしまいます…

みおにゃんまるさん:
私は、お食事やカラオケだけの健全なパパ活であることを大切にしています



みおにゃんまるさん:
私のパパも“友だちが欲しい”“話し相手が欲しい”というように、性的な部分ではなく“癒し”を求めてくれているように感じますし。

とはいっても、お互い人間なので場合によっては恋愛に発展することもあると思いますし、身体の関係をオプションとしてつけてる子もいますが…

宮内:
やっぱり!

みおにゃんまるさん:
でもそれはもう、パパ活とは言えないんじゃないですかね

あくまで、お食事やカラオケで“一緒に過ごす時間”に対する対価をいただくのが、パパ活の定義です。

パパは現在10人。一般的なOLの月給をパパ活で稼いでいる

宮内:
そもそも、にゃんまる(みおにゃんまるさんの愛称)さんがパパ活をはじめたきっかけはなんだったんですか。

みおにゃんまるさん:
学生時代にキャバクラでアルバイトしていたのですが、裏引きが増えてきたんです。


裏引き:キャバ嬢にキャバクラに通常出勤した際の給与と同等な金額を支払うかわりに、お店の外で一緒に過ごすこと

みおにゃんまるさん:
こっちの方が効率いいなと思いはじめたタイミングで、「paters」を見つけたんです。当時は今ほど会員数も多くなかったので「これはチャンスかも!」と思って。

宮内:
現在はOLとしての月収もあると思うのですが、パパ活ではどのくらい稼いでるんですか?

みおにゃんまるさん:
仕事の忙しさもあって月でいうとバラバラなのですが、平均すると一般的のOLさんの月給くらいにはなりますね

まあでも、ほとんど奨学金の返済にあててますけど(笑)。

宮内:
(おなじく奨学金を返している我が身よ…)

みおにゃんまるさん:
バラの花束をもらったこともあるんですけど、バラって高いじゃないですか。「そのバラの本数だけ現金くれ」って思ってます。言えないですけど。

ネックレスとかも最悪ですね。次会ったときにつけなくちゃいけないから…

宮内:
バラなんてロマンチックだな〜と思った自分、まだまだでした。

ちなみに、普段は1人のパパと頻繁に会うのか、複数人と並行して会うのかどっちなんですか?

みおにゃんまるさん:
複数人ですね。今は10人で、下は30後半から上は50代のパパまでいます。

あれです、ロケット鉛筆みたいな感じ


急に何を…!?

みおにゃんまるさん:
ロケット鉛筆って、芯の数がぴったりじゃないと使えないじゃないですか。逆に、芯増やそうとすると、一番下を出さなくちゃいけない。

パパ活もそれと同じで、自分のパパキャパ(芯)が10人なんです。それ以上になると会話の内容覚えることが難しくなるので、大変なんです。

だから
はみ出た人の話は一切覚えてないですね。10人に集中したいから、忘れちゃいます。

芸能人に会える? 宝くじのようなミラクルチャンスがパパ活最大の魅力

みおにゃんまるさん:
パパ活って、お金だけが魅力と思われがちなんですけど、お金じゃ買えないミラクルチャンスも転がってるんですよ。

宮内:
ミラクルチャンス!?

みおにゃんまるさん:
お食事していて、「今から合流したいって言ってる友だちがいるんだけどいい?」って言われてOKしたら、女子大生がキャーキャーするような人気グループの芸能人が来たり

好きなアーティストのライブで関係者席に招待していただいたり

アプリでやりとりして実際にお会いした方が、顔を見ればわかるくらいの日本でトップレベルの企業の社長さんだったこともありました。

宮内:
え、そんな人もいるんですね。

みおにゃんまるさん:
そうなんです。私みたいな普通のOLが普通に生活してたら、絶対に交われない人たちじゃないですか

だから、宝くじを当てる感覚に近いんですよ。これまでのパパ活のなかで、なにが嬉しかったか振り返ってみると、やっぱりお金で買えない経験ができたときですね。

パパ活市場では女性は「選ばれる側」。話の引き出しの数によって稼ぎが決まる

宮内:
ただ、パパ活でイイ思いができているのは、にゃんまるさんがカワイイからですよね?

みおにゃんまるさん:
あ〜全然わかってないですね、宮内さん(笑)。

大事なのは顔ではなく、どれだけ話の引き出しをもっているかです。それによって、稼げる稼げないが大きく変わります。



みおにゃんまるさん:
TwitterのDMで「パパ活はじめたんですけど全然稼げなくて〜」って相談されることがあるのですが、「そのスタンスじゃ無理だよ」って子が多いんです。

パパになる男性って、経済的に余裕のある方が多い。となると企業でも役職についていたりして、普段から多くの人と接する分、相手を見極める力もすごいんですよね。特に太パパになる可能性が高い人ほどそうです。


太パパ:通常のパパ活相場以上の金額を提示してくれるパパ

みおにゃんまるさん:
女性側が楽しんでなかったり引っ掛けようとしてると、「この子、まったく心ここにあらずだな」ってすぐにバレちゃうんですよ。

宮内:
女性もその場を楽しめていないと、会話も盛り上がらないと。それは普段のデートでも同じですね。

みおにゃんまるさん:
大前提、私たちはパパに選ばれる側ということを自覚しなくちゃいけないんです

普通、マッチングアプリって女性が選ぶ側じゃないですか。でも、パパ活市場においては需要と供給がまったく逆

宮内:
そうなんですね、それはちょっと意外でした。

みおにゃんまるさん:
だからこそ、長期的な関係に発展させるためには「この子に嫌われたくない」って思わせなくちゃいけないんです。

好きになってもらうのは簡単です。お食事以上の行為をせずとも、少しだけ色目を使えばいいんですから。

でも「嫌われたくない」と思ってもらうには、私のことを「大好き」になってもらわないといけないんですよ

宮内:
…深い

みおにゃんまるさん:
そうなると大事なのは「この子の話をもっと聞きたいかどうか」。ある程度地位のあるパパたちと対等に会話ができて、かつ面白いと思ってもらわなくちゃ次につながらないんです。

「稼げないので整形したい」みたいなアホ相談もされますが、まずは自分がいろんなことを経験したり、本を読んだりして、自分が話せる引き出しの数を増やすのが先ですね

初回含めて3回会えれば、友だち感覚になってお食事以上の関係をチラつかされることもなくなります。だから、回数を重ねるのは健全なパパ活を維持する上でも大切なんです。

3年かけて行き着いたファッションの答えは“マス”。石原さとみよりも有村架純

みおにゃんまるさん:
あと、顔よりも先に服装を変えるべきだと思いますね。

私、3年かけて今の雰囲気を完成させたんですけど

宮内:
それ、普通に実践したいので聞きたいです。

みおにゃんまるさん:
「マスを取る」のが勝ち筋だってわかったんです

かわいい系、美人系と大きなくくりがあるとして、基本は清楚な服装。そのなかで、どちらもショートよりロングの方がウケがいいよねみたいなパターンをマッピングした時に、かならず真ん中に来るようにしたんですよ。

宮内:
あ…だからミディアムヘア!

みおにゃんまるさん:
そうそう(笑)。あえて芸能人で例をあげるならば、有村架純さんですね。石原さとみさんは垢抜けすぎて親しみがないんですよ。

10人中2人が猛烈にタイプな雰囲気になるよりも、8人にまあウケる雰囲気にすれば勝ちなんですよね。

ウケる母数を一旦広げられれば、あとはトークでどうにでもなります。

太パパ(客)を掴むために、私が実践している当たり前の服装・髪型|みおにゃんまる|note
https://note.mu/miochanp/n/na19ed7cc13fc
服装についてはみおにゃんまるさんのnote(有料)もチェック

気をつけていても危ない目にあうことも。普段は手もつながないようにしている

宮内:
…ちょっと自分も興味が出てきたのですが(冗談です)、危ない目にあったことはないんですか?

みおにゃんまるさん:
メッセージの時点で危険かどうかを判断したり、過剰なスキンシップを求められた場合には即関係を切るようにしているので、ある程度は回避できていると思います。

それでも、個室カラオケだと言ってホテルに連れて行かれたことはありました。「カラオケだから!」って相手は言い張るんですけど、着いたら「いやどうみてもホテルだろ」と(笑)。

宮内:
やっぱりそういうのあるんですか…普通に怖い。

みおにゃんまるさん:
その時は相手がシャワーを浴びているスキに「殺されそうなんです、助けてください! 今から逃げます!」ってフロントに電話して、なんとか逃げ切りました。

こういうリスクももちろんあるので、夜職の経験がない女性にはあまりオススメできないですね。かわし方とか、慣れていないと思うので。

宮内:
そこまでは滅多にないとしても、スキンシップはされそうじゃないですか。たとえば手をつながれたりとか。

みおにゃんまるさん:
手をつないでしまうと、その先も求めたくなるのが男性じゃないですか。だからダメです。

私は、「手汗がひどくて、恥ずかしいからつなぐの苦手なんです」って伝えて回避します。手をつなぐのが嫌なんじゃなくて、あくまで恥ずかしいということで。

そうこうしている間に駅に着くので(笑)。

宮内:
できるビジネスマンに、交渉術を教わってる気分になってきました。

リスク回避のために偽名を使用。職業と住まいは3パターンを用意して、なりきっている

宮内:
ちなみに、名前や職場はパパにどう伝えているんですか?

みおにゃんまるさん:
名前は統一の偽名を使っていて、職場に関しては3パターンありますね

金融関係の事務職という設定で、証券会社、保険、銀行を用意しています。


ちなみに普段はまったく違う業界のOLさんです

みおにゃんまるさん:
それに合わせて、住んでいるところも3か所。「職場、行きづらくない?」と突っ込まれる可能性があるので、そのエリアの設定で会社に行きやすい路線も全部調べます。

あとは「俺も昔その辺住んでた〜」に備えて、グーグルマップでそれぞれの周辺情報は調べあげてますね

宮内:
涙ぐましい努力…

ただ、それでもパパがドンピシャで金融業界だった場合、バレますよね?

みおにゃんまるさん:
働いている友人にみっちりヒアリングしているので、業務内容については熟知してます。ただ、取引があるとなるとバレてしまうので、大手は避けて若干マイナー企業に勤めている設定にしてますね(笑)。

こういうことをせずに、リスクゼロでパパ活なんてできるわけないんです。健全なパパ活を続けるのって結構大変なんですよ

大変なパパ活を続けるのは、貴重な20代前半にベストな自分でいたいから

宮内:
リスクや手間を考えると、パパ活って結構大変な気がしてきました。

なぜにゃんまるさんはOLの傍ら、パパ活を続けるんでしょう?

みおにゃんまるさん:
私、パパとご飯に行くのが純粋に楽しいんです

さっきも言ったように、普段自分が出会えない人と話せて目線が上がる瞬間があって。それってすごい価値のある時間なんじゃないかと。

宮内:
本当ですか? それなら、お金なしでもパパに会えます

みおにゃんまるさん:
いや、それはないです。お金はマスト(笑)



みおにゃんまるさん:
キレイな言い方をすると、楽しく奨学金を返したいから。もっと本音で言うと、かわいい服も好きだし、化粧品もたくさん買いたい。

でも、OLの収入だけじゃどう考えても足らないじゃないですか。

宮内:
たとえば、「そんなの稼ぎのなかでやれよ!」と、パパ活女子を批判する声も多いと思うんですが…

みおにゃんまるさん:
どうせヤってんだろ?」とか「自分で稼げよ」とかDMでもよく来ますけど、まあ、言いたい人は言っておけばいいと思います(笑)

「きっとこの人モテてこなかったんだろうな〜」「かわいそうな人」くらいにしか思いませんね。

宮内:
強い。

みおにゃんまるさん:
20代前半って、女性にとってベストな時期じゃないですか。もちろん、30代・40代にもまた違った魅力があるのはわかっているんですが、“若い”っていうブランドにはどうしても勝てない。

今ベストな自分でいるために、ずっと続けているんだと思います

賛否両論(?)あるであろうパパ活。その実態は、女性側の努力によっても成り立っているものでした。取材後、にゃんまるさんのパパとのやりとりを少しだけのぞかせてもらったのですが、驚いたのはそのマメさと丁寧さ。そういえば、取材前のやりとりもものすごく丁寧だったことを覚えています。パパ活で稼げる秘密は顔じゃない。思いがけず学びの深い時間になりました。〈取材・文=宮内麻希(@haribo1126)〉

みおにゃんまる(@miochanp_)さん | Twitter
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