下部組織出身の上島拓巳は1年目からポジション争いに食い込めるか

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 U-12時代から柏のアカデミーで育ち、U-18時代には高校年代最高峰のプレミアリーグEASTを制覇したDF上島拓巳が、中央大学を経て柏レイソルに帰ってきた。「アカデミーのときは攻撃のことを言われていた中で、大学に進学して自分のセンターバックとしての能力の低さを痛感した。4年間で高さやカバーリングなど守備のところをバージョンアップしました」と成長に自信をのぞかせる。

 大学4年次は、22試合20失点の堅守で関東大学2部リーグ優勝に貢献、チームは4年ぶりの1部復帰をはたした。そこでCBでコンビを組んでいたのが、上島とDF渡辺剛(中央大→FC東京)だ。中学時代は上島と同じくJ下部組織のFC東京U-15深川に所属していた渡辺は、高体連の山梨学院高を経て中央大へ。上島は自身の成長をうながした存在として、渡辺の存在の大きさを語る。「守備的なところで言ったら、彼はスペシャリストですし、カバーリング、ヘディングといった守備のセンスは、隣でやっていて『すごいな』と思っていました。彼と4年間一緒にプレーできたのは、自分のサッカーキャリアにおいて大事なことでした」。

 柏U-18で上島と同学年には、現在トップチームでプレーするMF手塚康平、東京五輪世代の中心選手であるDF中山雄太(ズウォレ)らがいる。「手塚や中山のプレーを見て、自分とプロとのものさしにしていました」。背番号はU-18時代と同じ「20」に。奇しくもアカデミーで1学年上だったDF中谷進之介(名古屋)がつけていた番号で、DF洪明甫、DF永田充、FW李忠成、MF茨田陽生らチームの主軸が背負ってきた柏の出世番号だ。

 上島が柏U-18を退団した2014年に、トップチームで指揮を執っていたネルシーニョ監督も勇退。4年のブランクを経て柏に戻ってきたという意味では、共通する部分がある。「高3のときにトップチームの練習に行っていたので、ネルシーニョさんも覚えていてくれましたし、4年間で成長した姿を見せたいです」と気合十分。「いろいろな人とも出会うことができました。自分で考えて行動して、やりたいことややらないといけないことを意識してきて、サッカー以外のところでも成長できた」大学生活を経て、プロとしての一歩を踏み出す。

(取材・文 奥山典幸)