故・野崎幸助氏

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 入籍からわずか3カ月で夫に先立たれた22歳の花嫁。だが、悲劇の陰で、彼女の行動にはなぜか「疑惑」がつきまとうのだ。これもその一例かも知れない。紀州のドン・ファンこと故・野崎幸助氏(享年77)の幼な妻は、遺産相続を待たずに「7千万円」を先食いしていたという。

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 未亡人とともに、野崎氏の遺体の第一発見者となった家政婦が嘆息するには、

「この夏にようやく社長の墓地が決まったんです。ただ、まだ墓石は建ってないし、遺骨も家に置いたままだそうで……」

 ご承知の通り、2018年5月24日に急死を遂げた野崎氏の遺体からは、多量の覚醒剤成分が検出され、和歌山県警による「殺人容疑」での捜査が継続中だ。捜査が迷走するなか、野崎氏の遺骨もまた、安息の地に納められてはいない。

故・野崎幸助氏

 他方、慌ただしいのは残された幼な妻である。野崎氏の会社関係者が明かす。

「奥さんは7月末に、亡くなった社長が経営していた酒類販売業社の株主総会を開いて、代表に就任したのです。同時に、社長や元家政婦といった他の取締役は過去に遡って退任扱いにされた。さらに、年間7千万円もの取締役報酬を承認され、9月には彼女に支払われている。首を傾げざるを得ないのは、こうした決定が、彼女だけが参加した株主総会で下されたことです」

 そう、いまだ相続には至っていないにもかかわらず、幼な妻は自分ひとりしか株主が出席しない株主総会を開き、7千万円を懐に入れたという。先の家政婦も驚きを隠せない。

「えっ! 全然知らなかった。株主総会を開くという通知も貰ってません。しかも、7千万円ですか。私なんて何十年も社長に仕えたのに……。あの子はたったの3カ月で夫婦面して、何もかも持っていった」

 とはいえ、遺産の行方が定まらないうちに先食いすることなど可能なのか。

法の抜け穴

 相続問題に詳しいWinslaw法律事務所の今田覚弁護士によれば、

「故人が保有していた株式は、遺産分割が行われるまで法定相続人たちの“共有状態”になります。そして、過半数の株式を受け取ることになる相続人が議決権を行使できるのです」

 今回の場合、法定相続人は妻と野崎氏のきょうだいなので、彼女の相続分は遺産の4分の3。そのため、

「法定相続人である妻が、過半数の株式を保有しているとみなされます。彼女による議決権の行使は適法で、取締役の選任や、その報酬金額を承認して可決することも可能です。ただ、報酬として7千万円が引き出されたことで、会社の価値は大きく目減りしました。他の法定相続人たちが受け取る相続分、つまりは株式の価値が毀損されたに等しい。法の抜け穴を突く不公平な行為だと思います」

 しかも、一部で報じられた「全財産を田辺市にキフする」との「遺言書」の存在は妻に不利に働きかねない。

 仮に、この遺言に効力があると判断されれば、

「妻の受け取る遺産は2分の1だけとなる。相続する株式も過半数に満たないため、先の決議そのものがなかったことになり、7千万円を返還する必要が生じかねません」(同)

 相続が「争続」になってしまえば、返還の義務が生じる可能性もあるのだ。

「週刊新潮」2019年1月3・10日号 掲載