シュメール初期王朝時代の「花瓶」として大英博物館が展示していた品は実は「メイスの頭部」だった
by Nicole Baster
ロンドンの著名な観光スポットである大英博物館で、これまで長年にわたって展示されていた「花瓶」が、実は古代メソポタミアのシュメール初期王朝時代に使われていたメイスの頭部であったことがわかりました。
British Museum realises 'vase' is in fact an ancient mace-head displayed upside down | The Art Newspaper
美術関連のニュースを扱うThe Art Newspaperによると、大英博物館のキュレーターが、紀元前25世紀にシュメール初期王朝時代に都市国家として繁栄していたラガシュとウンマによる「記録に残された最古級の国境紛争(ラガシュ・ウンマ戦争)」にまつわる企画展「No man's land」に関する調査中に間違いに気付いたとのこと。
エール大学に類似の品があったため調べたところ、長らく「花瓶」だと思っていたものは上下が逆さまで、ウンマのギシャキッド王のために粘土を焼いて作られたメイスかヘビークラブの頭部だったことが確認されました。その後、展示品は正しい向きで「メイスの頭部」として展示されています。
正しく展示された「初期王朝時代のウンマのメイスヘッド」(紀元前2400年)
© J.Fernandes. Courtesy of the Trustees of the British Museum
企画担当のキュレーターであるアービング・フィンケル氏は「我々がどんなにバカだったか理解しました」と語っています。
ちなみに、企画展「No man's land」のプロモーション映像はこんな感じです。
No man's land - YouTube