母親の墓が勝手に移動され怒りを露わにする親族(画像は『PEOPLE.com 2019年1月7日付「Massachusetts Family Outraged After Late Mother’s Grave Is Moved Without Their Knowledge」』のスクリーンショット)

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土葬文化が未だに残る欧米では、故人を偲ぶための墓石の下には遺体が埋葬されているということが少なくない。しかしこのほど、米マサチューセッツ州にある母親の墓石が家族の承諾なく勝手に移動させられており、親族は墓地側に怒りを露わにしている。『PEOPLE.com』『CBS Boston』などが伝えた。

マサチューセッツ州キングストンにあるエバーグリーン墓地に埋葬された母親の墓を訪れた家族は、いつもの場所に母の墓石がないことに気付き、愕然とした。

カッサンドラ・メイドーさんときょうだいらは、このほど米メディアで怒りを口にした。

「母の墓参りに行ったきょうだいから、『墓石を動かした?』と連絡があったんです。最初、何をおかしなことを言っているのだと思いました。でも実際に母の墓石は移動していたんです。」

カッサンドラさんの母親ローラ・ホワードさん(享年53歳)は、2013年5月にフロリダの自宅で死亡しているところを発見された。ローラさんの死は殺人事件として扱われたが、現在も未解決のままだ。カッサンドラさん遺族らはこの5年間、突然母親を失った苦痛にひたすら耐えながらも、亡き母を偲ぶためにきょうだいたちと頻繁に母親の墓を訪れていた。

ところが冬のホリデー期間中に墓を訪れた身内が、ローラさんの墓が以前あった場所から一列奥に移動しており、今までローラさんの墓があった場所には別の人の名前が刻まれた墓石があることに気付いたという。墓石を移動させることなど何一つ墓地側から聞いていなかったカッサンドラさんはすぐに墓地側へ問い合わせた。すると「ローラさんはもともと間違った区画に埋められていたため、正しい場所へ墓石を移動させた」という返事があり、遺族に何の断りもなく行ったことについての謝罪の言葉は一切なかったそうだ。

キングストン役場書記(記録係)で埋葬担当事務員であるポール・ギャラガーさんは、「エバーグリーン墓地は個人所有のため、墓石の移動があったことを把握していなかった」と話している。しかし遺体を掘り起こし、それを墓地内で移動させる場合は埋葬許可を得なければならない。エバーグリーン墓地はそれをしておらず、ポールさんによると「遺体が実際に移動されたか否かについては未だ確認できていない」ということだ。

カッサンドラさんは、「母の死は私たちにとって恐ろしい状況下で起こりました。テレビでしか見ないような非現実的なことが実際に起こったのです。私たちは母の死に対して5年の間、苦しんできました。それでも母の葬儀は素晴らしく、この墓地で母は穏やかに永遠の眠りにつけると信じていました。それなのにこんなふうに勝手に母の墓を動かされると、辛い傷口をえぐられたように感じてしまいます。墓地側は誰も私たちに連絡してきていません。こんなこと間違っています」と苦悩を吐露している。

5年前、ローラさんの墓石は家族の友人の墓地の真横に特別に設置されたとカッサンドラさんは言う。しかし今になって、無情にも勝手に移動されてしまった。なぜ、このような事態が起こったのか。この件について、墓地協会は現在調査を行っているとのことだ。

画像は『PEOPLE.com 2019年1月7日付「Massachusetts Family Outraged After Late Mother’s Grave Is Moved Without Their Knowledge」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)