レズビアンだった女性(右)が精子提供者(左)と恋に落ちる(画像は『Aaron Long 2018年7月25日付Facebook』のスクリーンショット)

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アメリカでは同性カップルが養子を迎えることは合法的に可能なため、子供を持つ同性カップルはさほど珍しいことでは無くなりつつある。このたび紹介する女性も、レズビアンとして同性パートナーとの間に精子バンクを介して子供を授かることができた。しかし彼女は、後に精子提供者である男性と恋に落ちてしまったのだ。『Mirror』などが伝えた。

米シアトルに住むジェシカ・シェアさん(Jessica Share、42)は以前、レズビアンとして愛した女性と結婚生活を送っていた。今から10年以上も前のこと、2人は子供が欲しいと望み、思いついたのが精子バンクから精子を提供してもらうことだった。

ジェシカさんは妊娠し、2005年に無事アリスちゃんを出産した。子供を持つ幸せを感じた2人は、同じ男性の精子でジェシカさんのパートナーが妊娠、アリスちゃん誕生から18か月後に出産を果たした。

2人の子供を持つことができて幸せだった同性夫婦だが、残念なことに2008年に突然パートナーが家を出て行ってしまい、2010年には離婚することになった。それからというものジェシカさんが週末を除き、2人の子供の世話をしていた。

ところが2015年、アリスちゃんが10歳になった時にパートナーはアリスちゃんとの交流を絶ってきたのだ。その後、自分が産んだ子供だけを休暇中に連れ出したまま、戻ることはなかった。そしてジェシカさんは娘のアリスちゃんを女手一つで育ててきた。

アリスちゃんは成長するにつれて「赤ちゃんは男性だけでも女性だけでもつくれるものではない」ということを認識するようになり、自分の先祖が誰なのか、どこから来たのかと疑問を持つようになったという。ジェシカさんは考えた末に、アリスちゃんが11歳を迎えたクリスマスに「DNA鑑定キット」をプレゼントした。

それは「23andMe」というオンラインを介して自宅に届く検査キットで、自分のDNA検査ができるというものだ。「23andMe」の公式サイトで自分専用のページにアクセスすると、DNA鑑定した人の中から自分とDNAの関係がある者を知ることができる。

ジェシカさんは「23andMe」で、アリスちゃんの父親である精子提供者のアーロン・ロングさん(Aaron Long、52)を見つけ出した。実はアーロンさんも、精子提供によって生まれた子供達がどうなっているのか気になり「23andMe」で鑑定を行い、既にアリスちゃんのほか、ブライスさん(20)、マディさん(21)の2人の子供を探し当て、良い関係を築いていた矢先のことだった。

ジェシカさんは「23andMe」上で、アーロンさんにアリスちゃんが自分のルーツについて知りたがっていること、自分が同性婚だったことなど現状を伝えた。それからというもの、2人はお互いのSNSを通じて交流するようになった。この時、アーロンさんはジェシカさんをレズビアンとは感じていなかったという。

それから5か月後の2017年7月、ジェシカさん親子はアーロンさんから「私や私の子供達とシアトルで会いませんか」と誘いを受けた。当時オレゴンに住んでいたジェシカさんだったが、この申し出を受けアーロンさん達と会うことにした。

ジェシカさんとアーロンさんは初めて会ったにもかかわらず、以前から知っている者同士のように大きなハグをしてお互いを抱きしめた。ジェシカさんにとって、アーロンさんは娘のアリスちゃんと同じ雰囲気を持っていたためか、すぐに心が惹きつけられたという。また、ジェシカさんはアーロンさんの血を引くブライスさんとマディさんともすぐに打ち解けた。

現在、ジェシカさんはアリスちゃんを連れてシアトルに引っ越し、アーロンさんとともに暮らしている。2人は「23andMeは出会い系のサイトではありません。でも私達の関係を築くきっかけとなった技術に感謝しています」と話している。

画像は『Aaron Long 2018年7月25日付Facebook、2018年9月30日付Facebook』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)