立ち去ろうとする飼い主の車に、すがりつく子犬(画像は『The Sun 2018年12月27日付「PUPPY LOVE Snoop the dog who was abandoned days before Christmas in heartbreaking video has had ‘thousands’ of offers of a new home」(Credit: PA)』のスクリーンショット)

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欧米ではクリスマスは家族と一緒に過ごすことが当たり前と考えられているが、このほどイギリスで家族として飼われていたであろう子犬がクリスマスを家族と一緒過ごすことなく道端に捨てられてしまった。監視カメラが捉えた、立ち去ろうとする飼い主の車にすがりつく子犬の様子が人々の怒りと涙を誘っている。『The Sun』などが伝えた。

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今月17日の午後5時11分頃、英スタッフォードシャーのストーク・オン・トレントにある道路脇に設置された監視カメラに犬を捨てる飼い主と思われる男性の姿が捉えられた。犬はスタッフォードシャー・ブル・テリアの雄で、身体は幾分成長しているもののまだ幼い子犬だった。

子犬は捨てられた約1時間後に動物病院で保護され「スヌープ」と名付けられた。そして動物病院から連絡を受けた「RSPCA(英国王立動物虐待防止協会)」では、スヌープを捨てた飼い主の捜査を行った。

公開された監視カメラの映像では、飼い主と思われる男性と一緒に車から出て来るスヌープの姿があった。大好きなご主人と一緒に散歩に行けるとでも思ったのであろう、尾を振り嬉しそうにするスヌープの姿が捉えられている。

ところが男性はスヌープの愛用していたと思われる犬用のベッドを歩道に置いて、繋いでいたリードを外した。そして一瞬の隙をついて、車に走って戻っていったのだ。スヌープはすぐに男性の乗り込んだ車に駆け寄り、運転席に座る男性の姿を窓からすがるようにしてのぞき込んでいる。

その姿はまるで「僕を置いていかないで…」と訴えているようにも見える。車は無慈悲にもスヌープをその場に置いていき、映像は走り去る車のあとを必死で追うスヌープの様子で終わっている。

RSPCAの査察官であるナタリー・ペレホブスキーさん(Natalie Perehovsky)は、以下のように話している。

「あまりにも悲しすぎる。スヌープは去っていく車を追いかけていったのです。明らかに彼は主人のことが大好きだったことが分かります。スヌープは非常に悲しかったはずです。」

「私には飼い主がこんなことをする瞬間、何を思っているのか知る由もありません。飼育する費用が無いとか、家族に何か起きて世話ができないとか、何百という理由があります。」

「しかし、皆さんには手を差し伸べてくれる場所があるのです。慈善団体や犬の保護施設に彼らを連れて来ることができるのです。(捨てるなんて)弁解の余地がありません!」

今回、スヌープのことを知った人達からは「こんな残酷なことができるのは人間だけだ」「残念だがこんな愚かな奴は世界中にいる」といった声のほか、「もう涙しか出ない」という飼い主に対して非難のコメントが相次いだ。

なかには「彼は犬を保護施設に連れて行くことができたはずなのに…」というコメントに対して、「それをするとお金を支払う必要があるため、残念だが多くの人がペットを捨ててしまうのです」と返していた。

スヌープはマイクロチップが埋め込まれていたが、情報が古いために更なる飼い主の捜索が進められるようだ。しかし既に多くの人からスヌープを引き取りたいという申し出が相次いでいるという。

画像は『2018年12月27日付 The Sun「PUPPY LOVE Snoop the dog who was abandoned days before Christmas in heartbreaking video has had ‘thousands’ of offers of a new home」(RSPCA)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)