タクシー会社への就職は以前よりも難しくなってきている

 トラックやタクシーなど、免許があれば食いっぱぐれないと昔からよく言われる。産業用など、ある特定の車両を運転するのに免許が必要な場合、それを持っていないとダメなことから、誰でも就業できるわけではないというのが理由だ。一種の特殊技能と言ってもいいだろう。

 ただし、免許の種類にはいろいろとあるわけで、ざっと挙げるだけでも、普通二種、大型、大型二種、牽引、大型特殊など、さまざまだが、すべてが均等に就職に有利というわけではない。今回は職業と免許について見てみよう。

 まず最初に思い浮かべるのが、タクシーだろう。普通免許の2種があれば有利だし、なくてもタクシー会社が費用を負担するなどして養成してくれるので、昔からなにかあったらタクシー運転手というのはよく言われる。だが、これは最近では少し変わってきている。タクシー会社を転々としているのは敬遠されるし、初心者でも今までの前歴を見られて、最悪の場合落とされることもある。業界的にマナーアップに取り組んでいるし、新卒の採用も話題になるなど、職場環境の改善も進むだけに、もう誰でもいつでも就職できる業界ではなくなってきていると言えるだろう。

大型は車両が大きくなるほど給料も上がる

 一方、食いっぱぐれないという点では、大型や大型二種、牽引があると有利だ。労働環境がきつい上に少子化などによる人出不足が相まって、いつでも募集している。また車両が大きくなるほど給料も高くなる。ただし、免許だけ持っている、いわゆる大型ペーパードライバーだと、実際のとり回しに苦労するなど、現場での苦労は増えるかもしれない。また免許そのものも、以前であれば運転試験場でのいわゆる1発免許で取れたが、今では仮免の取得が必要だったり、安全講習を受けなくてはならないなど、取るのが難しくなってきている。

 逆に特殊だがすぐには仕事に結びつかないのが、大型特殊と牽引二種だ。まず大型特殊は名称がたいそうで、資格上は戦車も運転できるが、運転できるだけではダメな車両がほとんど。

 荷台に付属しているクレーンやバゲットなども操作できないと仕事にはならないので、玉掛けなどの免許も別途必要になる。ちなみに取得はものすごく簡単なので、免許の項目を増やすだけならおすすめではある。そして牽引二種は取るのは難しいが、車両は牽引のバスという特殊すぎるもので、実際に運行しているのは幕張メッセでお馴染みの、千葉県の幕張新都心周辺だけ。これでは食いっぱぐれとは別次元の話だろう。