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大手アダルトビデオ(AV)制作会社に、当時19歳だった女性を紹介して雇用させたとして、職業安定法違反の罪に問われた男性被告人について、東京地裁(前田厳裁判長)は12月25日、懲役1年6月、執行猶予4年の有罪判決を言い渡した。

●プロダクションの業務に影響も

判決によると、男性は、AVプロダクションの人事担当だった2016年1月、スカウトの男性ら3人と共謀して、AVに出演させる目的で、モデル志望の女性と面接した。同年2月、大手AV制作会社に、女性を紹介して雇用させたとして、職業安定法違反(有害業務の紹介)の罪に問われた。

男性側は、(1)女性はAV制作会社と雇用関係になく、職業紹介にあたらない、(2)女性と面接をおこなったが、採用の判断をしておらず、その後、別の担当者が採用を決めたので、共謀にあたらない――として、全面的に争っていた。

前田裁判長は「女性とAV制作会社との間で雇用関係があった」「出演料は支払われていないが、AV女優としての対価だった」などとして、職業紹介にあたると認定した。さらに、男性が、消極的だった女性に出演を受け入れるよう言質をとるなど、マネジメント契約の締結に重要な役割を果たしたと判断した。

東京地裁はすでに、スカウトの男性ら3人に対しても、懲役1年6カ月、執行猶予3年の有罪判決を言い渡している。今回の判決を受けて、ある業界関係者は「プロダクションはこれまでの業務を見直さないといけなくなるかもしれない」と話している。

(弁護士ドットコムニュース)