就活ルール廃止、企業の52%が「分からない」 一方、学生は「賛成」49.4%、「反対」39.7%

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 就活ルールが廃止を含めて見直しが検討される中、それぞれの事情や考え方によって「ルール廃止」に対する賛否は分かれるようだ。

 帝国データバンクは全国の企業2万3,101社を対象に「就活ルールに関する企業の意識調査(2018年)」を実施し、その結果を12月10日に発表した。調査期間は9月13日から30日で、9,746社から有効回答を得た。

 経団連が「就活ルール」について廃止を含めた見直しを提起する中、廃止に対する賛否を聞くと、「賛成」が23.5%、「反対」が24.5%で賛否が分かれた。その一方で52.0%の企業が「分からない」と回答し、廃止について賛否を決めかねている様子がうかがえた。
出典:帝国データバンクプレスリリース

 賛成と回答した企業の理由には、「就活ルールは事実上形骸化しており無意味」「学校側が学生の勉学・卒論・単位を含めて決めるべき」などの回答があった。反対と回答した企業の理由には、「中小企業はある一定のルールがないと戸惑い、新卒学生を容易に集められない」「学生が就活に追われる期間が長くなる」などの回答があった。

 従業員数別の企業の見解は、「5人以下」で賛成が22.8%・反対が20.3%、「6人〜20人」で賛成が23.3%・反対が20.5%、「21人〜50人」で賛成が23.9%・反対が23.4%、「1,000人超」で賛成が20.9%・反対が19.4%など、賛成が反対をわずかながら上回った。一方で「51人〜100人」で賛成が24.3%・反対が29.0%、「101人〜300人」で賛成が24.0%・反対が31.7%、「301人〜1,000人」で賛成が21.0%・反対が29.6%など、反対が賛成を上回った。

 業種別では、賛成の割合が最も高かったのは「医薬品・日用雑貨品小売」の40.9%。以下は「人材派遣・紹介」(33.3%)、「情報サービス」(33.3%)、「娯楽サービス」(32.1%)が続き、中途採用に積極的なサービスの業種が上位に連なった。

 反対の割合が最も高かったのは「教育サービス」の43.5%。以下は「各種商品小売」(40.4%)、「専門サービス」(32.5%)、「人材派遣・紹介」(31.5%)が続き、反対の割合でもサービスの業種が上位に連なった。これについて同社は、サービス業界は就活ルールに関して鋭敏に反応する傾向があると指摘している。

出典:帝国データバンクプレスリリース

 一方、株式会社パソナグループのパソナ総合研究所は、2020年3月卒業予定の大学生・大学院生622名を対象に「就職活動のあり方に関する学生意識調査」を実施し、その結果を10月18日に発表した。調査期間は9月13日から19日。

 就活ルールの廃止について意見を聞くと、「賛成・廃止すべき」が49.4%、「反対・廃止すべきでない」が39.7%で、賛成が上回ったものの意見は大きく分かれた。「わからない」は10.9%だった。

 廃止に賛成と回答した302名に理由を複数選択で聞くと、「自分のペースで企業選びができる」(224名)や「早期に内定を獲得できるから」(116名)などの回答が多く、自由回答欄に「ルールがすでに形骸化している」と記載した学生も14名いた。また、廃止に反対と回答した240名に理由を同様に聞くと、「学生生活全体のスケジュールが立てにくくなる」(206名)や「就職活動の期間が長引くから」(62名)などの回答が多かった。

 就活ルールの廃止について、企業と学生ともそれぞれの状況や考え方によって賛否が分かれているようだ。

サイトウ イサム[著]、加藤 秀行[著]

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