1950年公開の映画『羅生門』より
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 スティーヴン・スピルバーグ監督の製作会社アンブリン・テレビジョンは現地時間18日、故・黒澤明監督が手掛けた映画『羅生門』をテレビドラマ化する権利を獲得したことを発表した。

 『羅生門』は、芥川龍之介の小説「藪の中」「羅生門」を原作に、ある武士の殺人事件を、当事者の山賊と貴族の女性、事件を吟味する検非違使らがそれぞれ異なる視点で語る偶像劇。三船敏郎、志村喬、京マチ子といった当時の名優たちが名を連ねており、黒澤映画における傑作の一つとして今も世界中で語り継がれている。

 ミステリースリラーとして制作予定のドラマは全10話構成を予定しており、映画と同様、主要キャラクターがある一つの出来事を異なる視点で語る形式になるという。各エピソードを鑑賞することで、視聴者は事件の裏に潜む真実にたどり着くことができるとのこと。

 アンブリン・テレビジョンのダリル・フランクとジャスティン・ファルヴェイは、各メディアに宛てた公式声明の中で「この偉大なる作品を、壮大なミステリースリラーシリーズの土台にできることをとても嬉しく思います」とコメントしている。黒澤監督の名作偶像劇をハリウッドがどういったドラマ作品に仕上げるのか、続報に期待したい。(編集部・倉本拓弥)