“相棒”として過ごした1年を経て。犬飼貴丈×赤楚衛二は、言葉を超えた絆でつながる

『仮面ライダービルド』(テレビ朝日系)で“相棒”として1年間をともに過ごしてきた犬飼貴丈(桐生戦兎/仮面ライダービルド役)と赤楚衛二(万丈龍我/仮面ライダークローズ役)。ふたりのあいだには、独特な空気が流れていた。言葉にするならば、確かな信頼から成る距離感。赤楚の言葉を借りると、「“地元の友達のような”居心地のよさ」なのだろう。言葉以上に伝わってくる絆を礎として、それぞれの道を歩んでいく彼らの姿がまぶしく映った。

撮影/祭貴義道 取材・文/とみたまい 制作/iD inc.

「平成仮面ライダー」特集一覧

『ジオウ』との共演に「若いエキスをいただいた(笑)」

12月22日より、映画『平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER』が公開されますが、本作では現在放送中の『仮面ライダージオウ』で活躍されている奥野 壮さん(常磐ソウゴ/仮面ライダージオウ役)、押田 岳さん(明光院ゲイツ/仮面ライダーゲイツ役)と共演されています。先輩として、おふたりをどのようにご覧になられていますか?
犬飼 「先輩」って言っても1年だけなので、仕事うんぬんではなく、純粋に“学校の後輩”みたいな感じで接していましたね。僕から言えるようなこともあんまりなくって。逆に、若いエキスをいただいたかなって思います(笑)。少し若返らせてもらった感じですね。
赤楚 奥野くんは10代ということもあって、パワフルさを感じます。お芝居のことは僕もまだまだなので、なにか言うとかってこともありませんでしたが、TVシリーズの撮影から久しぶりに会った奥野くんの面構えがしっかりしていたというか、男らしい顔つきになっているのを見て、「ああ、頑張ってるんだなあ」ってすごく思いましたね。
撮影はいかがでしたか?
犬飼 押田くんとは一緒のシーンがあまりなかったんですが、奥野くんとは撮影が終わったあとに軽くご飯に行って…ラーメンとかですけど(笑)、いろいろ話しました。「映画とテレビシリーズを同時進行で撮ってる」っていうのを、「ああ、僕らもそうだったなあ」って思いながら聞いたりしていましたね。
相談事とかも?
犬飼 そうですね。いろいろと話してくれましたが、僕も答えを持ち合わせてないので…。ためになるようなアドバイスはあんまりしてあげられなかったんですけど(笑)。
赤楚 僕も奥野くんとは少しだけ共演しました。武田航平さん(猿渡一海/仮面ライダーグリス役)と奥野くんと僕の3人で、現場の空き時間に子役の子に芸人さんの物まねを教えたりして盛り上がりました(笑)。

出会ったときから印象は変わらず、「フレンドリー」(犬飼)

改めて、昨年『仮面ライダービルド』への出演が決まった際の心境から振り返っていただけますか?
犬飼 受からなかったときのことは考えずに、「仮面ライダーになるんだ」って思ってオーディション期間中はずっとやっていたので、受かった瞬間にようやく肩の荷が下りたというか、ちょっとホッとしましたね。
赤楚 僕は『仮面ライダーアマゾンズ』に出演させていただいていたので(シーズン2・長瀬裕樹役)、「やっと(仮面ライダー側として)受かったな」と思いました。それで、「変身できるんだ」と思いきや、「キミは生身のままだよ」って言われて(笑)。物語が進んでいくなかで変身するようになるんですが、最初はそんな感じだったので「仮面ライダーになったんだ」っていう実感があんまりなかったです(笑)。
最初の出会いを思い返して、お互いの第一印象を教えていただけますか?
犬飼 うーん…なんて言ったらいいんだろう? 初めて会ったときから、普通に仲良く話していたので。
赤楚 うん、そうだね。
犬飼 とっつきにくいとかもなく、初めから普通に話ができる感じだったので、「フレンドリーな方だなあ」って思いました。
赤楚 僕もそうですね。ただ、顔合わせのときは多人数のスタッフさんがいらっしゃり…お互いに人見知りだったので、なんかギクシャクというか(笑)。かみ合ってない感じがあったんですけど、そのあとにアクション練習があって、そこですごく仲良くなりましたね。
1年間に渡る撮影を通して、最初に抱いた印象から変わったこと、逆に変わらなかったことなどはありますか?
犬飼 「フレンドリー」っていう印象はそんなに変わらなくて。1年経っても変わらないって、イコール「裏表がない」ってことなのかなあ?と思います。そのことに、1年間かけて気づいた感じですね。
赤楚 あっちゃん(犬飼)も裏表はないけど…僕は「すごく居心地がよかったな」っていう印象が強いです。これまでも歳が近い方々と共演してきましたが、ここまで“地元の友達のような”感覚になったのは初めてでしたね。あと、あっちゃんは僕が持っていない“芯の強さ”があるので…僕のほうが年上ですが、尊敬していますし、そういう部分が人としての信頼にもつながってくるんだと思います。
夏に公開された映画『仮面ライダービルドBe The One』にゲスト出演された藤井 隆さんが、おふたりのことを「ヒーローとして在ることに膨大な時間を捧げていらっしゃる、本当に輝いていて、まぶしい存在でした」とおっしゃっていました。1年間ヒーローとして在り続けるというのは、どのような体験でしたか?
犬飼 我々は、近年稀に見るくらい“ヒーローヒーローしていないヒーロー”だったと思うので…(笑)。
赤楚 ははは! そうだね。
犬飼 だから、あまりヒーローということを意識しすぎないで自由に演じさせていただいたかなあと思います。もちろん、「社会のルールを守る」とか、人として当然のラインはありますが、それはヒーローじゃなくても当たり前のことですから…。「ヒーローだからなにかしなきゃ」と考えることもなく。
とはいえ、お子さんたちが憧れる存在を1年間演じきるのは、どんな感じなんだろう?と思うのですが…。
赤楚 正直、そういったことを考える暇もないぐらい追われていた日々だったのかもしれません。もちろん撮影スケジュールがハードというのはありますが、ビルドはとても重いテーマを掲げた話だったので、「ヒーローでいる」というよりも、「この役はどう演じるべきなのか?」ということを意識していたんじゃないかなあと思います。
犬飼 うんうん。街中に出たりする時間もあまりなかったので…。本当に家と仕事場の行き来だけっていう感じの日々で、そこまで意識することもなかったかなあとは感じています。

あっちゃんの活躍は、嫉妬せず純粋に応援している(赤楚)

現在、犬飼さんはドラマ『獣になれない私たち』(日本テレビ系)に出演中、赤楚さんは舞台のお稽古に臨まれています(※取材が行われたのは10月下旬)。いまお仕事をされるうえで「『ビルド』での1年間の経験が活かされている」と実感することはありますか?
犬飼 「『仮面ライダー』って、スゴいコンテンツなんだ」と改めて思いました。良くも悪くも“仮面ライダー俳優”として括られることは当然ありますから…。それが話題にもなってくれますし、逆にそういう側面でしか見られなかったりすることもある。

一長一短なんですが、話題になるのは、やっぱり多くの人たちに長年支持されている作品だからなんでしょうね。それがあるからこそ、僕はいまの場所に立たせてもらっているんだろうし…改めてコンテンツのスゴさを感じます。
赤楚 最近は舞台稽古ばかりで表に出るような機会もないので(笑)、“仮面ライダー俳優”として見られている実感はあんまりないんです。でも、この1年間、身体を壊すことなくやり通すことができた、「『仮面ライダー』で1年間駆け抜けることができた」という事実は大きな自信になっていると思います。

いただいたお仕事にはすべて「自分は初心者だ」という気持ちで臨んでいるのは変わらないまま、その自信が自分のなかで大きなものになっている気がします。
そういった思いを胸にお仕事に臨まれていく、おふたりの活躍が楽しみです。「芸能界でこんなふうに活動していきたい」という今後の目標はありますか?
犬飼 この4、5年、事務所の先輩の背中をずっと見てきたなかで、自分のやりたいことをしっかりと実現されている方がものすごく多くて。だから自分も先輩たちのように、やりたいことをマルチにやっていきたいですね。と同時に「辛いけど、生きるために仕事をする」じゃなくて、楽しく芸能活動をしていけたらいいなあって考えています。
赤楚 僕は単純に、自分が出演させていただいている作品を観て、楽しんでくださる人が今後も増え続けたらいいなと思うので、そのために頑張りたいです。
この1年“相棒”として時間を過ごしてきて、今後はそれぞれの道を歩んでいくお互いにエールを送るとすれば?
赤楚 僕らの真ん中にいた人が、別のところで頑張っている姿を見ると、「僕も頑張ろう」って思いますし。嫉妬心ではなく、純粋に応援しているというか。(犬飼さんは)人もいいから、そういう人こそ上に行ってほしい気持ちが強くありますね。応援しています。
犬飼 僕はそのまま…フレンドリーで人懐っこい赤楚衛二のままで。自分でも十分わかっていると思いますけど、「あ、あの頃のほうがよかったな」とか言われないように(笑)。
赤楚 ふふふ。
犬飼 いまのままで頑張ってほしいなあと思います。
「ドラマを観たよ」など、連絡を取り合ったりしているのでしょうか?
赤楚 “けもなれ”の1話を観たっていうのは、『仮面ライダービルド』のイベントのときに話をしたと思いますが、そのあとは全然連絡を取っていなくて。というか、僕はいま、舞台の稽古が続いていて、誰とも連絡が取れていないんですよねえ…。寂しいです(笑)。だからきょうも久しぶりに会ったんですよ。
犬飼 僕は水上剣星さん(氷室幻徳/仮面ライダーローグ役)に会うことが多いですね。剣星さんのお子さんの面倒を一緒にみるのが、週1の習慣になっています(笑)。
だいぶ頻繁ですね(笑)。
犬飼 隔週のときもありますけどね。隔週か週1で(笑)。
Instagramにも写真を載せていらっしゃいましたね
犬飼 うんうん(笑)。

今後の活動で、大切にしていきたい言葉は?

では、おふたりが今後、俳優活動をしていくうえで、「大切にしていきたい言葉や思い」を教えてください。
赤楚 「感謝」です。
犬飼 「人らしく。」ですね。
それぞれ理由を教えていただけますか?
赤楚 僕自身、「周りに生かされている」という感覚がすごいあるんですよね。(役に)選んでくださったり、作品にお声がけいただいたり、ファンの方が作品を観てくださったり。いろんな方がいるなかで僕は生かされている。しかも、こんなに素敵な機会やご縁をいただいていることは、もう感謝しかないというか。だからこそ、僕のなかで、まず一番に出てくるのは「感謝」です。
犬飼 先輩が「今後、周りの環境が変わったりするかもしれないけど、“人らしく”生きてね」と言ってくださったんです。それが、なんというか…ただの言葉ではなく、その背景にはいろんなものがあるんだろうなあってすごく感じて。だから僕はその言葉をテーマに、ここ2年ぐらい生きている気がします。

“仕事として・俳優として”ではなく、“人間として”在るのが大事なんだなっていうのを胸に、僕は日々生きているんだと感じています。
犬飼貴丈(いぬかい・あつひろ)
1994年6月13日生まれ。徳島県出身。O型。2012年、ジュノン・スーパーボーイ・コンテストでグランプリを獲得し、2014年のドラマ『碧の海〜LONG SUMMER〜』(フジテレビ系)で俳優デビュー。2017年、『仮面ライダービルド』の桐生戦兎役に抜擢され、テレビドラマ初主演を果たす。主な出演作に、ドラマ『スーパーサラリーマン左江内氏』、『獣になれない私たち』(ともに日本テレビ系)など。12月14日にファースト写真集『犬飼貴丈ファースト写真集 きせき』(主婦と生活社)を発売した。
赤楚衛二(あかそ・えいじ)
1994 年3月1日生まれ。愛知県出身。A型。2013年、サマンサタバサのメンズモデルオーディションでグランプリを獲得し、2015年に『表参道高校合唱部!』(TBS系)でドラマデビュー。2017年、『仮面ライダービルド』の万丈龍我役に抜擢される。主な出演作に、舞台「黒子のバスケ」THE ENCOUNTERなど。11月29日からは、舞台『民衆の敵』に出演中。

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出演作品

映画『平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER』
2018年12月22日(土)ロードショー
http://www.movie-taisen.com/

サイン入りポラプレゼント

今回インタビューをさせていただいた、犬飼貴丈さん×赤楚衛二さんのサイン入りポラを抽選で3名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

応募方法
ライブドアニュースのTwitterアカウント(@livedoornews)をフォロー&以下のツイートをRT
受付期間
2018年12月22日(土)21:00〜12月28日(金)21:00
当選者確定フロー
  • 当選者発表日/12月29日(土)
  • 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
  • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから12月29日(土)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき2019年1月1日(火)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
キャンペーン規約
  • 複数回応募されても当選確率は上がりません。
  • 賞品発送先は日本国内のみです。
  • 応募にかかる通信料・通話料などはお客様のご負担となります。
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