中国では、明石市の県立がんセンターで発生したような患者が医者に危害を加えるトラブルは「傷医」と呼ばれているほか、医療サービスに不満を抱いた患者側がさまざまな手段で病院の医療提供を妨害する「医鬧」と呼ばれるトラブルも多発している。(イメージ写真提供:123RF)

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 兵庫県明石市の県立がんセンターでこのほど、中国人の女性患者が男性医師を刃物で刺すという事件が発生した。中国メディアの一点資訊は16日、中国人患者が日本人医師を刃物で傷つけた事件は日本で大きな注目を集めたと伝えつつ、「中国国内で珍しいものではなくなった事件がついに日本でも発生した」と伝えている。

 中国では医療の信頼体系の崩壊を背景に医者と患者の間でさまざまなトラブルが発生している。明石市の県立がんセンターで発生したような患者が医者に危害を加えるトラブルは「傷医」と呼ばれているほか、医療サービスに不満を抱いた患者側がさまざまな手段で病院の医療提供を妨害する「医鬧」と呼ばれるトラブルも多発している。

 記事は、日本在住の中国人の見解として「日本で暮らす中国人の1人として、毎日必死に仕事をしているのは自分の夢をかなえるだけでなく、日本における中国人のイメージ向上に寄与したいためだ」と指摘。中国人患者が日本人医師を刃物で傷つけた事件について、中国人のイメージが悪化してしまうことを危惧しつつ、中国国内では「傷医がついに国外でも起きた」といった声があがったことを紹介した。

 続けて、今回の事件が及ぼすであろう今後の影響について考察し、「日本人医師は中国人患者を診察することを嫌がるようになるだろう」と主張。診察を拒絶したり、診察時間を短くしたりする可能性があると指摘。事実、日本では中国人患者が手術を受けた後に、手術費用を支払わずに医療機器を盗んで逃走するケースも起きていることを紹介した。

 さらに記事は、日本では外国人労働者の受け入れ拡大に向けた改正出入国管理法が成立したばかりだが、今回のような事件が起きれば法案の修正を求める声が高まることになるのではないかと考察している。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)