昨今、北海道では観光客の撮影マナーが問題になっている。例えば農業者たちは、SNS映えを求めて農地に無断侵入してくる観光客に迷惑しているのだ。

観光客に農地での撮影マナーを理解してもらいたいと、JAつべつ青年部(網走郡津別町)がマナー向上啓発動画「農村地域でのマナーCM/Field manners in rural areas」を制作、2018年12月12日にYoutubeで公開した。


画像はYoutube「農村地域でのマナーCM」よりキャプチャ

翌日にJAつべつ青年部のFacebookで動画が紹介されたことをきっかけに、SNS上で拡散され、17日13時時点で動画再生回数は1万4000回以上になった。動画は1分間だ。

農作物に悪影響のある微生物が靴底にいる可能性も

その内容は、観光客が実際に農地で撮影しようとするドラマ仕立て。まず、車を停めると「畑の入り口に停車すると農作業機が通れません!」、次に車から降りて農地に入ろうとすると「農作物に悪影響のある微生物が靴底にいる可能性があります」、ゴミのポイ捨てには「ゴミを狙った野生動物が畑や住宅地を荒らすようになります」などと要所で注意喚起がされている。

また、農地に勝手に入ること自体はそもそも「不法侵入」であるとも伝えている。

撮影するときのマナーとして、まず畑の所有者に許可をもらい、指定された安全な場所に駐車すること。撮影は畑の外で行うことが解説されている。動画は、海外の人が見ても分かるようにと英語の字幕もつけられている。

もし家の庭に知らない車が停まっていたら...

この動画を見た人からは、「凄くいいと思う」「理解しやすい」などといった声が挙がっている。中には、「軽い気持ちで入ってくるかもしれないが、ある日突然、自分家の庭に知らない車が停まってたらどう思いますか?」という投げかけもあった。

JAつべつ青年部は、Facebook上で「北海道の農村風景を守りたい!」とし、農業者だから伝えられるもの、伝えなければならないものを作りたいとの思いから動画制作に踏み切ったと、今回のきっかけを明かしている。

美しい風景を目の前にするとテンションが上がって、ついマナーを忘れてしまいそうだが、この動画の注意事項を思い出して、迷惑にならないように楽しみたい。