by Jason Blackeye

マルチクラウドで利用できる「Cockroach DB」などを提供しているCockroach Labsが、クラウドベースのプラットフォームやインフラなどを提供してくれる「クラウドプロバイダー」のうち、Amazon Web Services(AWS)とGoogle Cloud Platform(GCP)の性能比較を行い、レポートを公開しています。

AWS Outperforms GCP in the 2018 Cloud Report | Cockroach Labs

https://www.cockroachlabs.com/blog/2018_cloud_report/



テスト環境として、GCPはこれまでもパフォーマンスのベンチマークとして利用してきたという「16基のvCPUと60GBのメモリを備えた標準マシンタイプ」である「n1-standard-16」を使用。AWSでは60GBのインスタンスがないため、vCPU16基・メモリ32GiBのインスタンス「c5d.4xlarge」が選ばれました。

Cockroach DBの「TPC-C」(オンライントランザクション処理のベンチマーク)では、GCPと比べてAWSはスループットが40%高いことがわかりました。この結果は、Cockroach Labsも「AWSがこれほど優秀な成績を収めたことに驚いた」と記すほどのもの。



Cockroach DBでは、c5d.4xlargeと同様にvCPU16基のインスタンスであるm5d.4xlarge、c5.4xlarge、m5.4xlargeでもベンチマークを実施。その結果、おおむねどのインスタンスでもAWSがGCPを上回ることが確認されました。



続いて行われたのはCPU性能のテストで、Stress-ngをAWSとGCPでそれぞれで5回ずつ実行したところ、AWSのスループットの方が28%高いことがわかりました。



ネットワークのスループット測定にはiPerfを使用。その結果、GCPが毎秒5.6GBだったのに対し、AWSは毎秒9.6GBという極めて高い値を示しました



PINGを使用してのレイテンシ測定でも、GCPが平均レイテンシが0.223ミリ秒で散らばりが大きかったのに対し、AWSは平均レイテンシが0.057ミリ秒と低かった上に数値も安定していて、ネットワーク性能の高さを見せる結果となりました。



このほか、I/OテストでもAWSはGCPを上回る数値を見せました。

こうした内容がコスト差によるものであればしょうがないところなのですが、実際には費用対効果の面でもAWSはGCPを上回っており、Cockroach Labsでは「重要なワークロードにはAWSを使うべき」と結論付けています。