東海オンエア公式ユーチューブチャンネルより

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男性6人組ユーチューバー「東海オンエア」が投稿した動画が、ネット上で賛否両論寄せられている。

そろばんの存在価値を否定し新たな活用法を探るという内容で、そろばんを分解したり、フライパンで炒めたりしている。専門家は「珠算業界全体にとって大きなマイナス」と苦言を呈す。

ニッパーでそろばんをバラバラに

東海オンエアは、チャンネル登録者数390万人(数字はすべて2018年12月14日現在)を誇る人気ユーチューバーだ。独創的な投稿がファンの支持を集め、所属事務所のサイトでは「天才」と紹介されている。

活動はユーチューブにとどまらない。愛知県岡崎市の「観光伝道師」を務め、ラジオの冠番組「東海オンエアラジオ」(東海ラジオ)も持つ。

議論を呼んでいる動画は、12月13日に「【発明】もうこの世界に必要ない『そろばん』に新しい仕事を与えよう!」と題された投稿だ。

冒頭で、そろばんは(1)電卓・スマートフォンよりも利便性に劣る(2)練習しないと使えない――として、「この世にいらない」と切り捨てる。

そこで、そろばんを改造して新たな用途を開発しようというのが動画の主旨だ。ニッパーなどでそろばんを分解していき、玉をワイヤーに通した「鞭(むち)」などを制作。フライパンで玉を炒めて「そろばんコーヒー」作りにも挑んでいた。

ただし納得できる用途は見つからなかったようだ。メンバーの一人は不満げに「この世にそろばんが無ければ、この無駄にした(制作)時間はなかった」「(そろばんを)絶滅させなかったからですよ」と嘆き、動画は終わった。

「浅はかで愚かな考え」

動画のコメント欄では、ファンらから「めちゃくちゃ面白い!!!最高!」と好意的な声が多数寄せられ、高評価を約2万3000票(低評価は約3000票)獲得。一方で、批判的な意見も少なくない。

珠算講師を務め、そろばんグランプリジャパン2018フラッシュ暗算部門で優勝したクレイジー吉本さんは、取材に「そろばんに対しての理解があまりにも希薄」と憤然とする。

東海オンエアの(1)電卓・スマホよりも利便性に劣る(2)練習しないと使えない――との主張に、それぞれ「そろばん学習を怠り、そろばんによる効果を実感出来なかった人の意見」「重要な教育ツールですので、練習しないと使えないから要らないという主張は浅はかで愚かな考えだと思います」と真っ向から対立。

そろばんの分解についても、「手間暇かけてそろばんを作っていらっしゃる職人さんや会社を侮辱する行為」「全国の子供達が彼らの行為を真似してしまえば珠算業界全体にとって大きなマイナス」と咎めた。

J-CASTニュースでは14日、グループの所属事務所「UUUM(ウーム)」に対し、今回の動画についての見解などを尋ねたが、同日19時までに回答はなかった。回答があり次第、追記する。