配偶者と死別や離婚をしたひとり親の所得税や住民税の負担を軽くする「寡婦(寡夫)控除」をシングルマザーを始めとした未婚のひとり親にも適用するかどうかを巡って、自民党と公明党が揉めている。12月12日、朝日新聞などが報じた。

女性がシングルマザーになると、低所得に陥る可能性が高く、子どもの将来にも影響を及ぼす。自民党は、"未婚のまま子どもを産むことを助長することにつながる""伝統的な家族観が崩れる"という理由で反対しているが、ネットでは「シングルマザーの貧困の現実を直視して欲しい」「自民党は旧態依然」と批判が噴出している。

シングルマザーの平均年収は181万円 子どもの貧困対策が急務

女性で、夫と死別もしくは離婚して再婚しておらず、子どもや親族を養わないといけない場合、所得金額から27万円が控除される。さらに本人の所得金額が500万円以下の場合には、控除額は35万円になる。

公明党は、子どもの貧困対策という観点から、寡婦控除を未婚のひとり親にも適用するよう要求。同党の西田実仁税制調査会長は、朝日新聞に対し「親にいかなる事情があるにせよ、子どもに全くとがはない」と話しているという。

厚生労働省の調査(2015年)によると、1988年に84.9万世帯だった母子世帯数は、2011年に123.8万世帯まで増加。父子世帯数も17.3万世帯(1988年)から22.3万世帯(2011年)に増加している。

ひとり親世帯は、経済的に恵まれていないことが多い。母子世帯の平均年間就労収入は181万円、父子世帯では360万円に留まる。生活保護受給率は、母子世帯で14.4%、父子世帯で8.0%と、全世帯の3.22%を上回っている。親の婚姻歴にかかわらず、ひとり親を支援しなければ、子どもが貧困に直面する可能性が高いのだ。

「すでに保育料では、みなし適用がされている」という指摘も

自民党は伝統的な家族観に則り、寡婦控除をシングルマザーに適用することに反対している。それに対してネットでは批判の声が相次いでいる。困窮者への支援活動を行っているNPO法人ほっとプラス代表理事の藤田孝典さんは、「そんな程度のひとり親支援で未婚の出産は助長しないよ。バカバカしい。未だにこんな議論か」とツイート。

共産党の宮本徹衆議院議員も「すでに保育料では、みなし適用がされているのに、何をいまさら抵抗しているのか」とツイート。昨年8月、厚生労働省は未婚のひとり親にも「寡婦控除」をみなし適用し、所得税や住民税に基づいて算出される保育料の軽減を実現している。

他にもネットでは、未婚のまま出産する女性への同情の声が多く、「DV父や虐待父が同居するより、母親ひとりで育てたほうが子ども健全に育つと思います」「好きで未婚出産する人がどれだけいるんだよ」といった意見が出ていた。