陸運事務所はかなり親切なので知識がなくても心配なし

 私ごとであるが、最近個人売買でクルマを買った。中古車を買った際には当然ながら名義変更が必要になる。お店で買った場合にはたいてい名義変更が済んだ状態で納車してくれるものだが、個人売買や住まいから遠くのお店での購入だと(後者はお店の手間などの問題で)名義変更の手続きを新所有者がするケースが出てくる。

 名義変更にまつわる手続きはそういった業者さんにお願いするという手もあるが、筆者は比較的時間が自由な個人事業主かつ自動車メディアで仕事をさせていただいている身ということもあり、名義変更と同時にできる希望ナンバーの取得を自分で行った。そこで前編、中編、後編に分け、名義変更と希望ナンバーの取得の具体的なやり方を紹介しよう。後編では本番となる陸運事務所での手続きを紹介する。

 前編、中編で書いた名義変更、希望ナンバーの取得に必要な書類を揃えて陸運事務所に着いたら、まずナンバーセンターという建物で陸運事務所において入手する手数料の納付書、自動車税と取得税の申告書、申請書といった書類を購入する。次に希望ナンバーで名義変更する場合には希望ナンバーの予約証で交付を受け取る(予約証はインターネット上からQRコードを印刷できるので、その方が便利だ)。

※陸運事務所の受付時間は年末年始を除く平日の午前8時45分から11時45分、午後13時から16時だ。

 書類の記入は自分で書くか、たいてい敷地内か、ごく近くにある代書屋さんに頼むかに分かれる。書類は見本どおりに車検証や印鑑証明書を見ながら記入するだけといえばそれまでなので、代書屋さんに任せればまず不備なく素早くできるのは事実にせよ、2000円台の費用が掛かるのを考えれば、よほど時間がないか、自分で字を書きたくないかでなければ、自分で行う人がほとんどだろう。

 書類の記入が終われば登録事務所で提出し、新しい車検証が発行される。その後再びナンバーセンターで税金関係の書類を記入すれば、新しいナンバープレートがもらえ、ナンバープレートを交換し、最後に封印(後ろのナンバープレート左側にある、東京都なら「東」と刻印されている部分)をしてもらい、名義変更は完了だ。

 と、例によってクルマの手続きものは文字にすると難しいようにも見えるが、実際には書類さえ揃っていれば難しいことはなく、分からないことは聞けば教えてくれるし、陸運事務所は全国的に親切なところだ。

 親切と言えば、筆者が名義変更した際は到着が11時10分頃とあまり時間がなく、自分で書類を記入し終わったタイミングが受付時間をわずかに過ぎていたのだが、受け付けてくれた。その挙句、慌てていたせいで書類を提出する際に希望ナンバーの予約証を出し忘れ、当然ながら頭にない84-84という通常ナンバーが車検証に書かれており、「さすがにこれは午後の部に仕切り直しだな」と思いながらダメ元で事情を言うと、その場で再度受け付けてくれたほど。午前の部で新しい車検証が発行されたのは大変有難かった(ナンバーセンターは昼休みなく受け付けてくれるので、自分のミスにも関わらずタイムロスなく名義変更が終わった)。

 なお所要時間は11時10分に陸運事務所に着き12時30分には完了したので、慣れない筆者でも80分。費用は申請関係の500円と希望ナンバー代4300円で4800円(希望ナンバーでなければ新しいナンバープレートは1500円程度、管轄が変わらない陸運事務所での名義変更であればナンバープレートがそのまま使えるのでナンバープレート代は不要)だった。

 陸運事務所は平日しかやっていないので、時間のやりくりがしにくい人だと自分で行うのが時間的に難しいのは事実だが、可能ならお金の節約だけでなくクルマの手続きを体験してみるという意味も含めて、機会があれば自分で行ってみてはいかがだろうか。