性行為を断られ逆上した夫、妻を絞殺(画像は『Mirror 2018年12月7日付「Husband guilty of murdering ex wife who refused to have sex “one last time” for £100」(Image: central news)』のスクリーンショット)

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別居をしても子供たちのためにと事あるごとに家族で出かけ努力してきた妻を、嫉妬に狂った夫が絞殺する事件が今年5月にイギリスで起こった。このほどその夫には、殺人罪で終身刑が言い渡された。『BBC News』『The Independent』『Mirror』などが伝えている。

今年の5月20日、マーティン・カバナー(35歳)は妻で2児の母親であるソフィーさん(31歳)をロンドン南東部ブロムリーにある自宅アパートで絞殺した。

2人は2011年に結婚したが、2016年の12月26日に別居。それ以降もソフィーさんは子供たちのためにマーティンを伴って家族で出かけ、パリのディズニーランドを訪れる計画も立てていた。しかし、それはあくまでも子供たちのためだったのだろう。ソフィーさん自身は関係が破綻していた夫とヨリを戻す気はなく、デート系サイト「Match.com」を通して知り合った男性と交際を始めており、マーティンとの離婚を申請していたという。

それを知ったマーティンは逆上。嫉妬心から勝手にソフィーさんのアカウントにアクセスし、プロフィールを滅茶苦茶にするなどの行為に及んだ。さらにWhatsAppで何回もソフィーさんにメッセージを送り、「最後にもう一度だけセックスしてくれるのなら、100ポンド(約14,000円)払う」ということまで伝えた。ソフィーさんはそれを断ったが、するとマーティンは「俺をこんなにズタズタにしたのはお前だ」とソフィーさんを激しく責めた。5月19日、マーティンと一緒にケント州ウィンガム・ワイルドパークに出かけたソフィーさんは、その日の夜にマーティンとパブで落ち合い友人らと会った。しかしこの日に、ソフィーさんは帰らぬ人となった。

ロンドンの中央刑事裁判所で行われた裁判では、殺害当時の様子が明らかになった。ソフィーさんは19日の夜、長時間にわたり携帯電話からインターネットに接続しており、おそらくサイトで知り合った男性と連絡をしていたのではと検察側はみている。オフラインになったのは真夜中近くだったようで、このソフィーさんの行為に嫉妬したマーティンがソフィーさんの首を絞めて殺害。その後、ソフィーさんを全裸にしてベッドに寝かせ眠っているかのように見せかけ20日の早朝、マーティンはソフィーさんのハンドバッグから盗んだ銀行カードを使って現金を引き出した。また自宅のゴミ箱には、ソフィーさんの壊れた携帯電話が捨てられていたことも明らかになった。

マーティンは妻を絞殺した後、ホワイトボードに「殺されて当然だ」「君のことを心から愛している」などというメッセージを書き残していた。その4日後の24日、警察に追われていることを知ったマーティンはブロムリー警察署に出頭し逮捕となった。しかし法廷では、妻の殺害を「自己防衛」と主張してこのように弁解した。

「2人でコカインを摂取していたら、妻の態度が変わった。妻の目を見て何が起こるか察した途端、妻が攻撃してきた。攻撃を止めさせたくて自己防衛で妻の首を10〜15秒、いや20秒ぐらい掴んだ。」

これに対し検察側は、「被告は、嫉妬心に狂い被害者との破局を受け入れることができなかったために、他の男性と連絡を取り合っていた被害者に『俺の傷口に塩を塗るようなことをしている』と非難していた。また、一緒に暮らしていた時から嫉妬心と独占欲が強かった被告は、別居後も被害者をコントロールし続けていた。被告は、気が短くすぐに怒る性格だった」と述べた。一方、ソフィーさんの家族は「一緒にいるのが嫌だと言われたからといって、このような形で美しいソフィーを死に至らしめた残酷で暴力的な男は、生涯刑務所で朽ち果てることが相応しい。遺族にとっては耐え難い悪夢であり、私たちの人生はソフィーを失って完全に変わってしまいました」と涙ながらに訴えた。

12月10日、マイケル・グリーヴ判事は「被告は、被害者の遺族や子供たちに生涯消えることのない苦しみを与えた。子供たちから母親を奪い、周りから愛されていた被害者に不必要な悲劇の死を引き起こした」と糾弾。結果として、殺人罪で有罪判決となったマーティンには終身刑が言い渡され、仮釈放が許されるまでに最低でも16年の服役が必要だという。

画像は『Mirror 2018年12月7日付「Husband guilty of murdering ex wife who refused to have sex “one last time” for £100」(Image: central news)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)