日本ハムのレアード(C)KYODO NEWS IMAGES

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◆ “独自路線”で着々と補強

 日本ハムは11日、ヤクルトとのトレード成立を発表。2016年の新人王・高梨裕稔と内野の有望株・太田賢吾を放出し、実績豊富な変則右腕・秋吉亮と谷内亮太を獲得した。

 今オフは注目選手の多かったFA市場には参戦しなかったなか、FA以外の補強を着実に進めてきた日本ハム。なかでも象徴的だったのが、オリックスから自由契約となった金子千尋(日本ハムでの登録名は「金子弌大」)の獲得だ。

 オリックスとの契約がもつれていた金子に対し、自由契約となれば大争奪戦も…?という見方もあったなか、それまでストーブリーグを比較的“大人しく”過ごしていた日本ハムが水面下で接触。意外なスピード決着に持ち込み、ファンを驚かせた。

 加えて、“台湾の大王”の異名で日本の野球ファンから注目されていた台湾球界のスター・王柏融の獲得にも成功。独自路線での補強で着々と逆襲に向けた準備を進めている。

 また、「FA市場に参戦しなかった」とは言ったものの、FA権を保有していた宮西尚生、中田翔という投打の軸の残留交渉に成功。比較的FAでの流出が多かったチームにおいて、この2人の残留はファンを安心させた。もちろん戦力的にも、この2人が残ったことは大きい。

◆ 注目集まるマルティネスとレアードの動向

 外国人選手では、中継ぎのマイケル・トンキンと、外野や指名打者で89試合に出場したオズワルド・アルシアと来季の契約を結ばず。新助っ人としてリリーバー候補のジャスティン・ハンコックを獲得している。

 あとは開幕投手を務めたブライアン・ロドリゲスは残留が決まり、残るは上沢に次ぐ10勝を挙げたニック・マルティネスと、2016年の本塁打王であるブランドン・レアードの去就。球団は引き続き残留交渉中であることを明言しているが、宮西や中田と同様、この2人の動向は今後のチームを大きく左右する。

 高校球界のスターを次々に獲得したドラフト会議を皮切りに、ファンをワクワクさせるような補強が続く日本ハム。マルティネスとレアードも無事に残留となれば、来季に向けた期待は高まるばかりだろう。また、仮に残留が叶わなかった場合にどういった動きを見せるのか。まだまだ注目が集まる。

 積極的な動きでストーブリーグを盛り上げる日本ハムの“次の手”は…。今後も目が離せない。

◆ 日本ハム・今オフの動き

※12月11日12時現在

【IN】

▼ 新外国人選手

ジャスティン・ハンコック(投手/28歳)

王 柏融(外野手/25歳)

▼ 自由契約

金子千尋(投手/35歳) ※登録名「金子弌大」

▼ トレード

秋吉 亮(投手/29歳)

谷内亮太(内野手/27歳)

▼ ドラフト

吉田輝星(投手/17歳)

野村佑希(内野手/18歳)

生田目翼(投手/23歳)

万波中正(外野手/18歳)

柿木 蓮(投手/18歳)

田宮裕涼(捕手/18歳)

福田 俊(投手/21歳)

海老原一佳(外野手/23歳)

【OUT】

▼ 外国人選手

マイケル・トンキン(投手/29歳)

オズワルド・アルシア(外野手/27歳)

▼ 自由契約

高良一輝(投手/24歳)

大嶋 匠(捕手/28歳)

新垣勇人(投手/33歳)

大累 進(内野手/28歳)

▼ トレード

高梨裕稔(投手/27歳)

太田賢吾(内野手/21歳)

▼ 引退

石井裕也(投手/37歳)

矢野謙次(外野手/38歳)

【未定】

▼ 外国人選手

ニック・マルティネス(投手/28歳)

ブランドン・レアード(内野手/31歳)