ものを作る人たち、彼らは身近にいる! OMMFに集うMakerたち

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「Ogaki Mini Maker Faire 2018」が12月1、2日と岐阜県大垣市ソフトピアジャパン・センターホールにて開催された。

Maker Faireとは、平たく言うと"ものづくりが好きな人たちが集まる祭典"。

Maker Faireは世界各地で行われており、日本では毎年、東京でMaker Faire Tokyoが行われている。東京以外では、Mini Maker Faireとしてこの大垣市や山口県山口市などで開催されている。

今回の大垣では5回目のMini Maker Faireとなる。
144組の出展者が集まり、自分たちが作った作品を展示、プレゼンテーション、ワークショップなどが行われた。

クラフトやアクセサリー、ロボット、参加者が楽しめるゲームなど、さまざまな作品が集まった。本記事では、その中からいくつか紹介しよう。




◎移動する実験室
多くの人が注目していたのが、中庭の大きな展示物。
次世代航空機研究会の「空カブ」とMOBIUMの「移動型ラボ MOBIUM」だ。

空カブは一人乗り用の航空機。
翼の形を工夫することで安定性などを工夫している。次世代航空機研究会のみなさん、会社勤めしながら夜や週末などに集まって作業しているという。

展示されていたのは、エチレンボード製の筐体に小型のモーターを複数取り付けたもの。これが実物大の模型になる。飛行実験は、3分の1スケールモデルで実施している段階とのこと。


空カブ、脳内イメージはついナウシカに……



移動型ラボはバスを改造した、走る実験室。科学好きなら、子どもの頃に一度は夢見たこともあるのでは?

3Dプリンターやレーザーカッターなどの機材を搭載し、全国各地、移動しながら作品制作やワークショップを行っているという。2005年から始めたプロジェクトで、展示中のバスは2代目。


基本的な部分はバスのまま。中古のバスを購入し改造、高速も走れるという



◎電飾なのにリアルタイムに動く
暗室スペースで目をひいていたのが、akira_youさんの「LED電飾システム」だ。
大量のLEDの位置をカメラで検出し、その位置を元にLEDの点滅パターンでアニメーションを表現するというもの。

リアルタイムな動きを投影できる。考え方はプロジェクションマッピングと同様だが、こちらは位置の検出と映像の表示、ともにLEDを使うことでシンプルなシステムにしている。もちろん、プロジェクションマッピングのような高密度なピクセル表現はできないが、電飾ならではの光の表現は味がある。


LEDの波が動きを表現する


そして、DoiLabの「光クレヨン」。
基本のシステムは、カメラを通して光ポインタの軌跡をOpenCVで解析し、画面に描画するというもの。色の切り替え、消しゴム機能などもある。
さらに、クラウド経由で画像認識を行い、「何が描かれているか」を表示してくれる。当日の環境のせいか、色の切り替えの際などに若干のタイムラグが感じられたものの、体験として非常におもしろい。


デバイスにあるボタンを押しながら軌跡を描く



◎何台ものゲームボーイが並ぶ壮観さ
谷浦 朋文 a.k.a. 世紀マ3さんのブースは壮観で、ちょうど通りかかったとき、数十台ものゲームボーイが机の上から床まで所狭しと並んでいた。
「サーキットベンディング」という、内部の回路をハックして本来なら出ない音を出す改造を施した電子楽器だという。音量やエフェクト用のツマミなどもつけられ、楽器として演奏できる。当日、ライブもあったそうなのだが、残念ながら間に合わなかった。


1台ずつ、うねりのような周波数を発している



音楽系でいうと、もう1つ。インスタ部が展示していた「Cassettify」。
ネットにアクセスして、ストリーミング音楽が聴けるカセットテープ。電源を入れ、カセットデッキに入れるとそのまま再生できるというもの。コンセプトがおもしろすぎる。


デジタルなのにアナログで聴く



◎光る(だけの)メガネ
かけると悪人になる(なったように見える)メガネ。
“光るだけ”なのだが、けっこうすごく光る(かけている自分には見えないが)。
遊び心満載のグッズになっていて盛り上がるし、掛け方、ポーズなどレクチャーの上、撮影までしてくれる。SNSでもよく流れていた画像なので、見かけた人も多いかもしれない。


光るメガネ、意外と気持ちがいい



同じ「ゆるつく」のブースの、キリンのバトルファイターは子どもも気軽に楽しめるゲーム。
なぜ、キリンなのかと聞いてみたところ、野生のキリンの激しい喧嘩の様をゲームにしたのだという。

左右前後の動きで、相対するキリンと戦うゲーム。前後の動きは台ごと傾けるという仕組みで、キリン(のぬいぐるみ)は台座に磁石でくっついているので、衝撃で傾いた台からキリンが落ちてしまう。キリンが落ちると負けというルール。


激しく動しすぎると自滅することも多々……



ここではごく一部しか紹介できなかったが、他にも本当にたくさんの作品が集まっていた。
規模の大きなMaker Faire Tokyoとはまた別の雰囲気があり、次に機会があれば、ぜひ足を運んでほしい。


大内孝子