妹のスカウトをきっかけに芸能界入りし、今や若手実力派女優として注目を集める松岡茉優

意外な出演作から飛躍のきっかけとなった主演作まで、松岡茉優が出演するおすすめ映画をまとめて紹介しよう。

松岡茉優 プロフィール

松岡茉優は1995年2月16日生まれ、東京都出身。身長160cm。

2008年、テレビ東京の子ども向けバラエティ番組「おはスタ」のおはガールとしてデビュー。その後、本格的に女優業を始め、映画『桐島、部活やめるってよ』での高い演技力が注目され、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』の出演をきっかけにブレイク。

2018年、初主演となった映画『勝手にふるえてろ』で第27回日本映画プロフェッショナル大賞主演女優賞、第10回TAMA映画賞最優秀女優賞に輝いた。

以降も、豊かな演技力をもつ若手実力派女優として映画、ドラマをはじめ、TVCM、バラエティと各方面で活躍中。

『パンプキンレクイエム』(2010)

映画部の後輩女子

8mm映画部員の女子2人が「死神パンプキンヘッド」という短編映画を撮り始めたことで起きる騒動を描いた青春ファンタジー。撮影が始まるなり怪現象が続発し、ついには本物の死神パンプキンヘッドが姿を現す。

当時「おはスタ」に出演していた松岡茉優が演じたのは、映画部員のひとり小森。撮影はすべて奥多摩でロケが行われ、公開当時15歳の初々しい姿を見られる。

『ポテチ』(2012)

野球選手をダマす女

伊坂幸太郎による短編小説を『アヒルと鴨のコインロッカー』『フィッシュストーリー』を手がけた中村義洋監督が実写映画化。

仙台を舞台に、同じ年、同じ日、同じ病院で生まれながら、プロ野球のスター選手と空き巣というまったく違う人生を生きる2人の男が、運命に翻弄されるも目に見えない強い絆でつながる物語を描く。

松岡茉優は、プロ野球選手・尾崎(阿部亮平)をダマそうとする女性ミユ役で登場。ストーリーの鍵となる役どころを好演した。

『桐島、部活やめるってよ』(2012)

イケてる女子高生グループの一員

第22回小説すばる新人賞を受賞した朝井リョウのデビュー小説を『紙の月』や『パーマネント野ばら』の吉田大八監督が実写映画化。地方の県立高校を舞台に、学校イチの人気者でバレー部キャプテンの桐島が突然部活をやめたことをきっかけに、学校の人間関係、恋愛関係などが徐々に明るみになっていく青春群像劇。

松岡茉優が演じたのは、校内でも目立つ女子グループのひとり・野崎沙奈。

クラスの中心人物である菊池宏樹(東出昌大)と付き合っていることや、校内で美人と評判の飯田梨紗(山本美月)と同じグループに属していることにステータスを感じている。愛想は良い一方、他人を馬鹿にする顔を持つキャラクター。

『ギャルバサラ外伝』(2012)

SFオタクな女の子

女子高校生が戦国時代にタイムスリップしてしまうSFファンタジー『ギャルバサラ -戦国時代は圏外です-』のスピンオフ作品。本作ではイケメン若侍が現代へ転生するストーリーが描かれる。

松岡茉優が演じるのは、SKE48・小木曽汐莉の妹役。姉は歴史好き、妹である松岡茉優はSFオタクという役どころ。

『悪の教典』(2012)

大殺戮の中で逃げ惑う女子高生

第1回山田風太郎賞を受賞した貴志祐介による同名小説を三池崇史監督が映画化。サイコパス(反社会性人格障害)という裏の顔を持つ英語教師が引き起こす事件を描いたサイコ・ホラー。

松岡茉優が演じたのは、剣道部のエース・白井さとみ。アーチェリー部キャプテンの高木翔(西井幸人)と恋愛関係にあり、その中で英語教師・蓮実聖司(伊藤英明)による惨劇に巻き込まれていく。

『はじまりのみち』(2013)

宿屋の娘

『二十四の瞳』や『楢山節考』など数々の名作を残した映画監督・木下惠介の生誕100周年記念作品として、木下監督の若き日の挫折と再生を描いた人間ドラマ。『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲』を手がけた原恵一による実写映画初監督作品。

松岡茉優が演じたのは、木下惠介(加瀬亮)が空襲に遭い、実家から疎開先へ向かう途中に立ち寄る宿屋の娘やゑ子。便利屋(濱田岳)との会話シーンなど、印象的な場面を演じている。

『放課後ロスト』(2014)

クールな女子高生

五十嵐藍による青春群像漫画「ワールドゲイズ クリップス」を3名の女性監督が実写映画化した青春オムニバスストーリー。来年廃校となる高校を舞台に、文化祭間近の2学期を過ごす女子高生たちの日々をクールなタッチで描く。

松岡茉優が出演したのが、その後映画『勝手にふるえてろ』でタッグを組むことなる大九明子監督によるエピソード「倍音」。仲良しグループ3人から逃げたリカ(松岡茉優)と黒井(古泉葵)は、学校中の音を録音する遊びを通じて仲を深めていく。

映画レビューサービス・Filmarksでは、「松岡茉優の芝居がすごく良かった。彼女らしさが存分に炸裂してたと思う」「『倍音』が1番好き。綺麗で独特の切なさがあった」といった感想・レビューが寄せられている。

『リトル・フォレスト』(2014)

主人公の幼なじみ

五十嵐大介のロングセラー漫画を『重力ピエロ』の森淳一監督が実写映画化。都会で自分の居場所を見つけることをできなかった主人公・いち子(橋本愛)が故郷に帰り、自給自足の生活をしながら生きる力を充電していく物語。

松岡茉優が演じたのは、いち子の幼なじみであるキッコ。橋本愛は映画『桐島、部活やめるってよ』、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』に続き共演3作目で、公私ともに親交が深い間柄。幼なじみという設定で、息の合った2人の演技も見どころ。

『サムライフ』(2014)

夢に向かって協力する仲間のひとり

学校設立を目指して奮闘する、27歳の元高校教師の実話を映画化。長野県上田市にあるNPO法人「侍学園スクオーラ・今人」の設立者・長岡秀貴の自伝をもとに、全財産725円からの“理想の学校づくり”の奮闘をつづったドキュメント。

松岡茉優は、主人公・ナガオカ(三浦貴大)と一緒に夢を追うことで、自らの生き方を見つけていく仲間のひとり・ユミを演じた。

『猫なんかよんでもこない。』(2016)

優しく見守る、猫好きな調理員

元プロボクサーで漫画家の杉作が実体験に基づいて描いた人気漫画を実写映画化。目のケガでプロボクサーの夢を絶たれた主人公の男性が、家に転がり込んできた2匹の捨て猫“チン”と“クロ”の面倒を見るようになり、次第に生きる希望を見出していく人間ドラマ。

松岡茉優が演じたのは、ヒロインである幼稚園の調理員・ウメさん。主人公ミツオ(風間俊介)と猫たちを優しく見守る役どころ。

『ちはやふる』(2016)

存在感大のかるたクイーン

累計2,100万部を超える大ベストセラーを記録した、末次由紀による人気同名漫画を実写映画化。競技かるたを題材に、幼なじみの高校生男女3人の友情・恋愛・成長をめぐる絆を描いた青春ムービー。

松岡茉優は2部作となる「上の句」「下の句」、完結編の「結び」すべてに出演。主人公・綾瀬千早(広瀬すず)の目標でもありライバルでもある競技かるたクイーン・若宮詩暢を演じた。

Filmarksでは「松岡茉優のクイーンがいちばん印象に残っている」「下の句ではダントツで松岡茉優」など高い評価を示す感想・レビューが多数寄せられており、圧倒的な存在感を放っている。

本作と『猫なんかよんでもこない。』での演技が認められ、第40回山路ふみ子映画賞で新人女優賞を受賞した。

『映画 聲の形』(2016)

かつてガキ大将だった男の子

「週刊少年マガジン」に連載された大今良時の漫画をアニメ「けいおん !」などで知られる山田尚子と京都アニメーションが劇場アニメ化。主人公の少年が、聴覚に障害をもつ転校生の少女との出来事を機に孤立していく小学生時代、そして高校生になった彼らの再会を描く。

第40回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞に輝くなど、数々の高い評価を受けた。

松岡茉優は、主人公・石田将也の小学生時代の石田将也の声を担当。監督の山田尚子が、少年の頃の将也を松岡茉優に演じてもらいたいと熱望。声優としては3本目となる今作で、まるで本物の小学生のような演技(声)を披露している。

『勝手にふるえてろ』(2017)

恋愛経験ナシの24歳ヒロイン

芥川賞作家・綿矢りさによる恋愛小説を『放課後ロスト』でタッグを組んだ大九明子監督が実写映画化。恋愛経験のない24歳の女性会社員が、職場の同期と中学時代から片思いの同級生との間で悩み、暴走する恋の行方を描くラブコメディ。

松岡茉優は本作で映画初主演。長年の片思いと現実の恋との間で揺れる不器用なヒロイン・ヨシカを好演した。松岡茉優から大九監督に「役について、ゆっくり話をしたい」と告げ、クランクインの前日に数時間かけて話をした、というエピソードも。

本作の演技が高く評価され、日本映画プロフェッショナル大賞で主演女優賞に輝き、第30回東京国際映画祭のコンペティション部門では観客賞を受賞した。

『blank13』(2017)

優しく寄り添う恋人

俳優であり、かねてからシネフィルとして知られている齊藤工の初長編監督作品。放送作家のはしもとこうじの実話を基に映画化。13年前に突然失踪した父の葬儀当日、参列者が語る父親のエピソードによって家族の誰も知らなかった父親の真実が明らかになる物語。

松岡茉優が演じたのは、感情の揺れ動く主人公・松田コージ(高橋一生)のそばで静かに寄り添う恋人・西田さおり。喪服姿で登場する、ライブ感満載の葬儀シーンでの表情や演技について評価する感想・レビューが特に多く寄せられている。

『万引き家族』(2018)

心で繋がっている家族

『そして父になる』や『海街diary』の是枝裕和監督によるヒューマンドラマ。東京の下町に暮らす、平凡で貧しい家族が、家族ぐるみで万引きなどの罪を重ねる姿を通して、人と人の絆を描く。

是枝作品初参加となる松岡茉優が演じたのは、信代(安藤サクラ)の妹・亜紀。風俗店で働いている役柄で、劇中では大胆な姿を披露。その一方で、祖母・初枝(樹木希林)を心から慕う繊細な表情も印象的。

Filmarksでも「松岡茉優が素晴らしかった」「安藤サクラ、松岡茉優たち俳優陣の演技にただただ圧倒された」「演技や脚本、音楽が素晴らしい!」といった評価が寄せられている。

本作は第71回カンヌ国際映画祭において最高賞であるパルム・ドールを獲得。日本人監督作品としては21年ぶりの快挙を成し遂げた。

【文/taco】

※記事内のFilmarksユーザーの感想・レビューは2018年12月9日現在のものです。

(C)2014 五十嵐藍・KADOKAWA/「ワールドゲイズ クリップス」パートナーズ、(C)「リトル・フォレスト」製作委員会、(C)2015「サムライフ」製作委員会、(C)2018 映画「ちはやふる」製作委員会 (C)末次由紀/講談社、(C)大今良時・講談社/映画聲の形製作委員会、(C)2017映画「勝手にふるえてろ」製作委員会、(C)2017「blank13」製作委員会、(C)2018フジテレビジョン ギャガ AOI Pro.

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