今では当たり前の技術もじつは日本初!

 自動車というのはグローバルな産業だから、世界規模で技術革新を進め、各メーカーしのぎを削っている。当然日本メーカーが世界に先駆けた、日本発の世界初となる技術も多い。

 おなじみのところでは、初代プリウスに搭載されたハイブリッドシステム「THS」や初代NSXの「アルミ製モノコックボディ」、可変バルブタイミング機構の「VTEC」などがあるが、地味なところでもいろいろと世界初の技術があるのだ。海外のほうが早いイメージだけど、じつは日本が初という技術を今回は振り返ってみよう。

1)トヨタの4速AT

 4速ATそのものは、メルセデスなどが先んじていたが、なにが世界初かというと、4速がオーバードライブだった点。こうすることで、高速での回転数を下げることができ、省燃費などに威力を発揮した。1977年のマークIIで初搭載。

2)1リッターディーゼル

 1983年にシャレードに搭載されたのが、3気筒ディーゼル。今さえ、ディーゼルの小排気量化は難しいとされているのに、実現したのは立派。ダイヤカットタイプの燃料噴射ノズルなど、独自の技術で実現した。

3)5速AT

 これもドイツ車あたりが先んじているイメージがあるが、じつは1989年に日産がセドリック/グロリアに搭載したのが最初だ。グループ内のミッションメーカー、ジヤトコとの共同開発だったが、トヨタですら、5速を実用化したのは1991年だから、技術の日産としての面目躍如だった。

4)FFのダブルウイッシュボーン

 1982年のプレリュードで搭載されたのがFF車としての採用世界初。これはフロントのみだったが、1985年のアコードでは、4輪に採用し、こちらも世界初。FF、そしてダブルウイッシュボーンといえばホンダだが、このあたりがルーツとなる。

5)FF車のトラクションコントロール

 トラクションコントロールは今では当たり前というか、安全技術のなかでも基本的なものとなっているが、1989年にホンダがレジェンドでFF初採用した当時は画期的なことだった。