2018年の東京オートサロンでCMSのプロトタイプが登場していた

 レクサスESが先鞭をつけたミラーレス。カメラとディスプレイによってドアミラーを代替しようというもので、レクサスでは「デジタルアウターミラー」と呼んでいますが、保安基準的な一般名詞といえるのはカメラモニタリングシステム、CMSと略します。

 さて、レクサスESのCMSについては「後付け感がある」といった批判の声も耳にしますが、実際に後付けは可能なのでしょうか? 歴史を振り返れば、日本でドアミラーが解禁された頃には後付けドアミラーがブームとなりました。フェンダーミラーを外した跡を埋めるパーツをつけたクルマを街で見かけたことを思い出します。歴史は繰り返すといいますが、CMS解禁によって後付けパーツが登場するのでしょうか。

 実際、すでに2018年1月に開催された東京オートサロンでは後付けCMSのプロトタイプを見ることができました。この写真はチューニングパーツで有名なブリッツのデモカーに装着されていたもの(残念ながら市販には至っていないようです)。保安基準で定められた要件を満たせば車検対応でCMSにアップグレードすることは可能というわけです。

 また、後方視界の悪いドレスアップカーや、そもそも後ろが見えづらいスポーツカーなどでは視界を確保するために、ドアミラーに追加するカタチで後方用カメラとディスプレイをつけていることもあります。小型ディスプレイの価格も下がっていますし、カメラの耐久性や価格も問題ないといえますので、技術的にもコスト的にもCMSの後付けはリアリティのある話なのです。

 もっとも、レクサスのデジタルアウターミラーが実現している、ウインカーやシフトポジションに連動した画角の自動切り替えといった機能は後付けでは難しいでしょう。後付けでは、単純にドアミラーの置き換えとしての機能にとどまると予想されますが、それでもドアミラーがスマートな形状になる効果は、スタイリングのインパクトとしては大きいのは間違いありません。