ドルトムントのMFアクセル・ヴィツェル【写真:Getty Images】

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今夏中国から移籍金25億円超で加入し、中盤の一角として首位快走に貢献

 ドルトムントのベルギー代表MFアクセル・ヴィツェルは、今夏に中国1部の天津権健から4年契約で完全移籍した。

 中盤のユーティリティーはドイツ誌「シュポルト・ビルト」のインタビューでドルトムント移籍を「正しい選択だと思った」と語り、バイエルン行きが実現しなかった理由についても明かした。

 ヴィツェルは今夏に移籍金2000万ユーロ(約25億6000万円)でドルトムントに加入すると、すぐさまチームにフィット。中盤で力強いプレーを見せ、リーグ戦全13試合に出場して1ゴール1アシストを記録するなど、首位快走に大きく貢献している。

 現在バイエルンが6連覇中だが、ドルトムントはそのバイエルンに勝ち点9差をつけており、ヴィツェルも「僕らは(バイエルンの)連覇を止めるよう全力を尽くしている。それは請け合うよ」と、バイエルン一強時代に終止符を打とうと意気込んでいる。

 ただ、一方で「月並みな言い方に聞こえるだろうけど、今タイトルのことを話しても意味はない。シーズンはまだまだ長いんだ。僕らは1試合1試合を考えている」と話し、気を引き締めることも忘れなかった。

2011年のシャルケはオファーに発展せず、17年のバイエルンもカンナバーロ監督が拒否

 現在29歳のヴィツェルは、もっと早くブンデスリーガに参戦する可能性もあった。すでに2011年にはシャルケが獲得に興味を示しており、本人も「それは僕も聞いたことがあるよ」と話すが、最終的に「コンタクトはなかった」という。また、昨年獲得に乗り出していたバイエルンについても破談の経緯を明かしている。

「当時、僕は中国でプレーして半年だった。(カルロ・)アンチェロッティ監督が、当時天津権健を率いていたファビオ・カンナバーロに移籍の問い合わせをし、僕への関心を表明したんだけど、ファビオは結構すぐに、僕を移籍させるつもりはないと断言した。それでこの話は終わりになった」

 そんなヴィツェルが最終的に選んだのがドルトムントだが、これについては「正しい選択だと感じたから来たんだよ。ここで頑張り、チームの助けとなるクオリティーが自分にはあると最初から分かっていた。とは言っても、BVB(ドルトムントの略称)は僕にとってチャレンジだった。でも、ぜひやってみたいと思うチャレンジだったんだ」と、意欲を持って新天地にやってきたのだと述べた。

 ドルトムントのルシアン・ファブレ監督は以前、「シュポルト・ビルト」に対し、チェルシーのベルギー代表MFエデン・アザールを望むようなコメントを残していた。しかし、代表でアザールと同僚のヴィツェルは「ちょっと高すぎるというのがあるし、彼には全く違うプランがあるみたいだ」と、その移籍は実現しないだろうと予想。ただし、「でも、もし彼がブンデスリーガでプレーすると言うんだったら、僕には彼にBVBを選ばせるだけの根拠があるよ」と話し、その根拠とは「スタジアム、チーム、クオリティー、情熱、そしてファンだ」とし、ドルトムントにすっかり満足している様子を見せていた。(Football ZONE web編集部)