帝国データバンクの調査によると、「Nintendo Switch」のヒットなどがあったことで、2017年度の玩具業界売上高は、前年比23.9%増の4兆円超えとなったことが分かった。

■2017年度の玩具業界は製造業の売上が倍増

 7日、帝国データバンクが玩具企業2,515社の経営実態調査の結果を発表した。これは、2014年度から2017年度まで4期連続で業績が判明している玩具関連企業について調査したもので、2515社中、製造業が474社、卸売業が1,147社、小売業が894社となっている。

 2017年度の売上高合計は4兆2,008億円で前年度の3兆3,897億円から23.9%増だった。この内、製造業は1兆1,409億円(前年度比:113.4%増、以下同じ)、卸売業は2兆5,509億円(8.7%増)、小売業は5,089億円(0.3%増)となっている。

■売上高1億円未満の企業が半数近く

 2017年度、業界の中で売上高が最も多かったのは任天堂で9,784億9,600万円、次いでソニー・インタラクティブエンタテインメントの8,823億3,100万円。「Nintendo Switch」の大ヒットにより飛躍的に売り上げを伸ばした任天堂が、前年度首位だったソニーを逆転した。

 売上高規模別では1億円未満の企業数は1,177社(46.8%)、1億円〜10億円未満が1,045社(41.6%)と合わせて全体の9割近くを占めている。また、10億円〜100億円未満が263社(10.5%)、100億円〜1,000億円未満が24社(1.0%)、1,000億円以上が6社(0.2%)。

■小売で減収企業が多い理由

 4期分の売上高が比較可能な2,500社を売上の増減で集計したところ、増収は572社、減収は726社、横ばいは1,202社だった。業態別では、卸売(増収:348社、減収358社、横ばい:434社)は増収企業数と減収企業数が近い数だったものの、製造(増収:94社、減収132社、横ばい:246社)ではやや減収が多くなり、小売(増収:130社、減収:236社、横ばい:522社)では減収企業が倍近くになっている。これは、玩具の購入に玩具専門の小売店ではなく、インターネット通販や、大型量販店、家電販売店などが増えたことが要因となっている。

■ヒット商品に左右される業界

 玩具業界全体では、少子化から市場規模の縮小が危惧されるものの、取り巻く環境は比較的堅調となっている。一方で、消費者の購入方法が多様化しており、玩具専門の小売業者は特に厳しくなることが見込まれる。また、アニメなどのコンテンツや、時代のトレンドを汲み取った商品展開を継続することが、流動する業界の中では必要であるとしている。