頼るはよその国

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 骨肉の争いの影響に“手腕”の問題もあって、万策尽きた感がある大塚家具の「かぐや姫」こと久美子社長(50)。そこに現れたのは中国からの求婚者だが、姫が歩くのはバージンロードならぬ茨の道になるそうで。

 前年同月比107%。大塚家具の、今年10月の売上高である。最大80%オフという捨て身のセールの甲斐があって、ようやく光明が見えてきたか。しかし、

「昨年10月が対前年比71%だったので、7%のプラスなど焼け石に水です」

 と経済ジャーナリストの松崎隆司氏。しかも、この程度でもプラスは15カ月ぶりである。松崎氏に、11月14日発表の第3四半期決算を読み解いてもらうと、

「大塚家具が最後に黒字だった2015年の売上が580億円。今年12月期の業績予想は376億円ですから、3年で6割ほどにまで落ち込んでいる。それに営業利益も経常利益も昨年に引き続き赤字となって、なにをやってもどうにもならない状況です」

頼るはよその国

 そのうえ、松崎氏が深刻視するのが「継続企業の前提に関する注記」。

「これは“このままの経営状況では、この会社の継続に疑義が生じます”という、監査法人からのイエローカード。今年の中間決算で初めて記され、今回残っているのは、危険な経営状況が全然改善されていないということ。それを反映し、株価も今年初日の842円が、272円(11月26日現在)まで下がりました」

 また、この手の小売業は仕入れのためにも、売上の1割程度の手元資金が必要だそうだが、

「毎月赤字のため4、5億円の手元資金も不足し、持ち株を売って、昨年末に27億円あった有価証券が7億を切るまでに減った。それでも現金資産は昨年末の18億円が22億円になっただけ。現金化された20億円のうち16億円は失われたのです」

父の路線への強制回帰

 ご臨終間近ということだが、信用調査会社の社員は、

「10月ごろ、中国の家具販売大手『居然之家』から秋波が送られてきたんです」

 と、打ち明けるのだ。

「最近、大塚家具の役員会は紛糾しがちで、久美子社長の再建策に、社外取締役が“貴女が辞めないかぎり賛同できない”と猛反対していた。その間、80%オフで時間稼ぎをしたところに居然之家からの“求婚”です。久美子社長のままで買収に応じる国内企業がないなか、社長据え置きで60億円以上の出資が検討されているという。ただし、全額を株式に回すと議決権の大半を握られてしまうので、一部は貸付になりそう。久美子社長も乗り気で、自ら中国に出向いたほどです」

 大塚家具は、居然之家と“販売交渉”を進めていることは認めながら、“嫁入り”については否定する。その居然之家について、中国企業に詳しい経営コンサルタントの田島章司氏は、

「1999年創業で年商1兆円。全土に240店舗を持ち、業界で三指に入る大手です。しかも中国の電子商取引最大手の阿里巴巴集団(アリババグループ)から900億円の出資を受け、“優等生”のお墨付きを得た。今回の話は彼らにすれば、日本のブランドと高品質に目がない中国の富裕層に、日本の家具を売り込むチャンスです」

 と語る。が、むろん、かぐや姫は“支度金”に縛られるという。

「美人で高学歴で独身の久美子社長を、最初は“客寄せパンダ”として利用するでしょうが、業績が回復しなければ、中国側は容赦なく経営に介入してくるはず。また皮肉なことに、中国で成功するためには父の勝久氏の高級路線に回帰する以外、道はありません」

 しかも、屈辱に次ぐ屈辱を受け入れても、延命できる保証はないのだ。

「週刊新潮」2018年12月6日号 掲載