M-1グランプリ公式サイトより

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漫才が面白くてもダメという現実

 12月2日、平成最後の「M-1グランプリ」(朝日放送テレビ/テレビ朝日系列)が放送され、霜降り明星の粗品(25)と、せいや(26)が優勝に輝いた。

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 視聴率は関東地区が18.8%、関西地区は24%(ビデオリサーチ調べ)。ライバル民放のバラエティ番組スタッフは「テレビ朝日と朝日放送には、大満足の結果になりましたね」と言う。

 日刊スポーツは12月3日(電子版)、「霜降り明星すでに60本以上仕事依頼、当面休みなし」と報じた。M-1の優勝コンビなら、誰もが通る道だ。

「テレビ業界は毎回、優勝コンビには大きな期待を寄せます。高視聴率を取れる可能性があるからです。ただし、漫才の面白さと、バラエティ番組で求められる面白さは異なります。最短で、これから1、2か月が正念場という厳しさです」(同・バラエティ番組スタッフ)

 今後、霜降り明星が出演したコーナーの視聴率を筆頭に、ネット上に書かれる視聴者の感想、番組スタッフの評価、芸人司会者との相性――などなど、様々なチェックポイントを組みあわせ、厳しい“身体検査”が行われる。

M-1グランプリ公式サイトより

「霜降り明星は“身体検査”を通過できる実力を持っています。今年の『R-1グランプリ』(関西テレビ/フジテレビ系列)では、それぞれが決勝に残っています。ピン芸人としても笑いを取れます。さらに、ボケのせいやさんは、独特のキャラがあります。出川哲朗さん(54)を連想された方もおられたのではないでしょうか。ひな壇などで、出演者のオモチャとして全員からイジられ、笑いを取れるかもしれません」(同・バラエティ番組スタッフ)

 ちなみに、今回優勝する前から、せいやのトーク力は評判になっている。今年1月には「人志松本のすべらない話」(フジテレビ系列)に出演し、初参戦でMVS(Most Valuable すべらない話)を獲得したほどだ。

「チョコレートプラネットの長田庄平(38)と松尾駿(36)の2人は、コントは面白いのですが、これまでバラエティでは精彩を欠いていました。ところが、長田は和泉元彌(44)、松尾はIKKO(56)のモノマネが人気となり、遂にコンビでブレイクを果たしました。霜降り明星もM-1の放送中、粗品さんはせいやさんから『スプーンに映った小栗旬(35)』とイジられていました。モノマネ番組に挑戦しても、面白いかもしれません」(同・バラエティ番組スタッフ)

 霜降り明星の2人は、共に大学へ入学している。せいやは近畿大を卒業し、粗品は同志社大を中退している。

「クイズ番組が出演を依頼するのは間違いないと思います。あと、バラエティのスタッフが知りたいのはロケの腕ですね。大阪のローカル番組で経験しているとは思うのですが、東京には届いていません。理想を言えば、千鳥の大悟さん(38)とノブさん(38)レベルなら完璧なんですが……」(同・バラエティ番組スタッフ)

伸び悩む和牛

 これに対し、一票差で敗れたのが和牛の水田信二(38)と川西賢志郎(34)の2人。これで2016年から3年連続で2位という結果になってしまった。

「本当に漫才は上手く、面白いです。ただ、ここ1、2年は、バラエティにも出演しています。M-1で優勝しなくとも、売れっ子になるチャンスはあったはずです。しかし伸び悩んでいるのは、やっぱり視聴者の支持を得られていないんですね。業界での評価は非常に高いのですが、玄人ウケのほうに進んでいる感じがあります。スタジオよりもロケのほうが、芸人としての味が出るかもしれません。彼らも、来年が勝負の年になります」(同・バラエティ番組スタッフ)

 テレビの視聴者は貪欲で残酷だ。漫才だけでは評価しない。「ひな壇トークが面白く、モノマネとかもできて、見た目も面白く、タレントとして華がある」という芸人でないと満足しない。

「改めてM-1の審査を振り返っておけば、霜降り明星も和牛も甲乙つけがたく、審査員も最後は好き嫌いで決めるしか他に方法がなかったと思います。ただ、正統派の和牛より、動きが多く勢いを感じさせる霜降り明星に会場の雰囲気が盛り上がり、それが有利に働いたと見ています」(同・バラエティ番組スタッフ)

 まさに紙一重の勝敗で明暗を分けた2組ではあるのだが、本当の勝負はこれからだ。“芸人生活”という長い、長い、戦いが続く。

週刊新潮WEB取材班

2018年12月5日 掲載