かつて中国で日系車の安全性を疑問視する噂が広まるなど、反日感情に容易に影響される傾向が見られたが、現在は中国人の多くが客観的に品質を評価しようとしており、価値観や日本に対する感情にも若干の変化が生じてきているように感じられる。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国で急速に拡大する車社会の勢いに乗って、中国の自動車市場の規模も拡大を続けている。中国メディアの今日条頭は25日、かつては強い愛国心から日系車に対して排他的な態度を示していた時期もあった中国人が、現在は「皆が口をそろえて日系車の性能を高く評価するまでに変化したのはなぜか」と問いかける記事を掲載した。

 記事は、現在の中国における日系車の販売は好調で、中国南部では都市の大小にかかわりなく日系車を非常に多く見かけると指摘。それで車にあまり詳しくない消費者も「多くの中国人が日系車の質が良いと評価する理由」が理解できるように、専門家の意見を交えて独自に分析し紹介した。

 まず、1つ目に「技術」を挙げ、日本の自動車メーカーだけが持つエンジンの技術は、世界から高い評価を受けており、故障が非常に少ないと指摘し、技術力と品質で唯一無二の地位を確立していると指摘。また、2つ目に、「優れたものに更に磨きをかける精神」によって、耐久性や燃費の向上の追求を続けていると主張した。

 最後に、「保守的」な姿勢を挙げ、「新しい技術を採用する際、十分に実証したうえで取り入れるゆえに、信頼性や安全性が高い」とし、こうした点が中国人消費者に評価され、「皆が口をそろえて日系車の性能を高く評価する」ようになったのだと論じた。

 中国人ネットユーザーからは、「日系車の品質は世界一だ」と賛同する声や、「日系車に欠点が無いと言うのは誇張で、リコールも生じているのだから、むやみに崇拝してはいけない」などの意見も寄せられた。しかし、リコールを行うというのは企業の誠実な姿勢を示すものであり、リコールすべき問題が起きてもリコールしない企業も多いのが現状だ。

 こうした記事を見ると、かつて中国で日系車の安全性を疑問視する噂が広まるなど、反日感情に容易に影響される傾向が見られたが、現在は中国人の多くが客観的に品質を評価しようとしており、価値観や日本に対する感情にも若干の変化が生じてきているように感じられる。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)