母・ゆきさん(左)も娘の「特別な力」に驚かされた(撮影/浅野剛)

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 11才の少女が紡ぎ出す素朴な言葉に、集まった聴衆が身を乗り出して聞き入り、感動し、ついには涙を流す人もいるという。そのトークショーは全国各地で行われ、感動の輪は広がっている。「あの子は本当に神様かも…」聴衆にそう言わしめる少女に話を訊いた。

「人間に生まれる前の私? かみさま…空の上で、かみさまをやってました」

 にこやかに落ち着いてそう話すのは、すみれちゃん(11才)。どこにでもいそうな小学6年生の女の子だ。ところが、その言葉一つひとつに驚かされる。

「宇宙にはかみさまや天使さん、魂や見えない存在たちがいる。魂は、たくさんの経験をするために地球に来ているんだよ」

「位の上のかみさまは他のかみさまにいろいろ教えたりするんだよ」

「かみさまは人の形をしていて、金色の服を着ることが多い。かみさまって、みんな優しくって、おもしろいんだよ」

 なんとも荒唐無稽な空想のように聞こえるが、「かみさまの仕事」の話に至ると、グイッと引き込まれる。

「かみさまのいちばんの仕事は、魂からの『このお母さんのところに行きたい』っていうリクエストを聞いてあげること。それはいちばん上のかみさまにしかできない」

「私の場合は、最終的にママを選んで、この世に生まれてきたんだよ」

◆お腹の中にいたときからママの声は聞こえてた

 思わず言葉を失った記者に、同席していたすみれちゃんの母・ゆきさん(46才)がこう補足する。

「私も最初は半信半疑でした。数年前、すみれと一緒にあるトークショーに行ったら、ポツリと言ったんです。『ママ、オーラが見えるのって普通のことじゃないんだね…』って。それをきっかけに話をじっくり聞き込んだら、すみれに不思議な力が宿っていることに気づいたんです」

 生まれたときからかみさまと話ができたこと。自分たち母子を見守ってくれている存在やオーラが見えていること。教えてもいないオーラやチャクラについて熟知していたこと等々――すみれちゃんは生まれながらにして、不思議な力があったのだという。

「思えば、すみれが生まれる前日、『明日が出産予定日だよー』とお腹に語りかけたら、突然、破水したんです」(ゆきさん)

「だって、『生まれていいよ』ってことだと思ったから。ママの声、全部聞こえてて、お腹から出ようと思って蹴ったら、そうなっちゃった」(すみれちゃん)

「で、その場にいた助産師さんがあわてていたら、ピタッと陣痛が止まったんです」(ゆきさん)

「だって、そうしなきゃって思ったから。赤ちゃんってみんな、ママとかお腹の外の声は聞こえているし、わかっているはずだよ」(すみれちゃん)

 なんとも不思議に聞こえるが、こうした現象は決してありえないことではないという。産婦人科医で池川クリニック院長の池川明さんが解説する。

「母親の胎内にいた時や出産時の記憶を胎内記憶といいます。欧米では1970年代から胎児や新生児の力とその時期の記憶に関する研究がなされており、私も20年ほど前から研究を始めました。これまで1000人超の母子への聞き取り調査を実施してきましたが、約3割の子供に胎内記憶があることがわかりました」

 胎内記憶は言葉が話せるようになって間もない2〜4才の子に圧倒的に多く、「暗くてあたたかかった」「水の中に浮かんでいた」などといったシンプルな記憶もあれば、かなり詳細な記憶もあったという。

「医学的には、味覚は妊娠12週、嗅覚は15〜16週、聴覚は20週、痛みや温度といった皮膚の感覚は33週から胎児に備わるとされています。視覚の発達が最も遅く、生後8週間たってようやく、物の形や色の違いがわかるようになります。

 胎内記憶に関する証言を聞くにつれ、私は確信しました。胎児は、私たちの感覚でいう“見る・聞く”で物事を判断しているのではなく、五感をフル稼働して感じ、脳でなく、細胞一つひとつに記憶しているのだと」(池川さん)

◆かみさまの言葉を今、伝えたい

 すみれちゃんはその後、自らの力を少しでも役立てたいと思い立った。

「3年半くらい前、すみれから『ママ、伝えるときがきた。みんなに伝えたい…』と告白されたんです。私はすみれより人生の経験が少し長いぶん、世間の厳しさや怖さを知っています。だから、子供が『かみさまとお話できる』などと発言したときのリスクを考えると…」(ゆきさん)

「でもね、私は、人の前でペラペラとおしゃべりしたいんじゃないの。かみさまや、天使さん、見えないけれどいつも守ってくれている存在たち、それにあかちゃんやお腹の中のあかちゃんたちの言葉を伝えたいの。今、伝えなきゃダメだと思ったの」(すみれちゃん)

「それで私も決めました。たった1人でもいいから、すみれの話で癒されたり、元気になったり、生きる力がわく人がいたらいいな、と思うようになったんです」(ゆきさん)

 以来、ブログから始め、人前に出て話すことにチャレンジし、賛同者を得て“ご縁の輪”を広げている。そして、不定期ながらトークショーを全国展開している。トークの内容は、身辺雑記的な感想から戦争についてまで、「かみさまや天使さんなどがそのときに伝えたいこと」で、多岐にわたる。

 トークショーに参加した30代女性は、こんな声を寄せている。

「ままならない子育てに悩んでいたとき、すみれちゃんの話を聞きました。通常のトークショーは話巧者な講師が熱心に言葉を連ね、その結果、感動や歓心を得られますが、すみれちゃんの場合、そうした計算がないというか、素朴そのもので…でも、そのぶん、言葉の意味するところが深くて、自分からいろいろ考えさせられる。彼女の言葉には、幸せをつかむヒントが潜んでいると思います」

 週末の土日を中心としたトークショーを始めて、早2年。子育てに関心を持つ親を対象とした10人程度が参加する会から500人収容のホールでの講演まで、すみれちゃんの言葉に触れた人たちは一様に驚嘆し、感動し、中には感極まって涙する人もいるという。

※女性セブン2018年11月29日・12月6日号