西武・菊池雄星【写真:荒川祐史】

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2015年の前田健太、2017年のマイコラスと投球データを比較

 ポスティングシステムを利用し、メジャーリーグ挑戦を目指している西武の菊池雄星投手。近くポスティング申請の手続きが行われ、正式にメジャー球団による入札がスタートするものとみられている。日本球界を代表する左腕にはメジャーの複数球団が関心を示しており、争奪戦となることが予想されている。

 その菊池のポスティングがスタートする前に、米データサイト「ファングラフス」では菊池の投球データを解析。2015年オフに同じくポスティングシステムでドジャースに移籍した前田健太投手、そして巨人からカージナルスに移籍し今季最多勝の活躍を収めたマイルズ・マイコラス投手の投球データと比較し、活躍の可能性を探っている。

 この比較分析では、菊池は今季、前田は広島での最終年となる2015年、マイコラスは巨人最終年となる2017年の投球データを用い、記事内で「マエダは成功した。マイコラスも成功した。このうちの誰も、圧倒的なレパートリーを持っていない。1つの大きな違いは、マエダとマイコラスは右腕ということである」と指摘した。

 3人の投球内容の分析によると「大きな違いはキクチのNPB最後のシーズンの与四球がそれほど素晴らしくないことであるが、全く悪いわけではなく、K/BB%は問題ない。3人ともゴロを打たせる傾向にある。3人とも奪三振率は良いが、際立っているわけではない」とされている。

 さらに3人の球種の傾向から「キクチとマエダはスライダーを好み、ほとんど誰よりもスライダーを投げていた。マイコラスは日本でスライダーをよく投げていたが、カーブも多かった。この中で、恐らく質の高いスライダーのおかげで、キクチはボールゾーンで三振を奪うことに断トツで一番優れているようである。全体的にキクチは空振りを奪うのに優れているようである」と、菊池の最大の武器をスライダーだと解析している。

「利き腕を除いて、全体的にキクチはマエダとマイコラスの最後のNPBシーズンのような投球を見せた。キクチのレパートリーはマエダの左腕バージョンのようである。キクチは決め球のスライダーで空振りを奪う。マイコラスほど制球力があるとは言えないが、キクチはマイコラスよりも少し多く三振を奪うし、彼はゾーンに投げられる」と締めくくった「ファングラフス」。前田健太、そしてマイコラスはともにメジャーで成功を収めているが、菊池雄星も2人に続く活躍ができるだろうか。(Full-Count編集部)