赤に白い星が散った勝負服姿であいさつした的場文男騎手

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東京シティ競馬(TCK)に所属し、62歳のいまも第一線で活躍する的場文男騎手による「地方競馬通算最多勝利数新記録」の達成記念祝賀会が2018年11月17日、東京都港区の「ヒルトン東京お台場」で開かれた。競馬やマスコミ関係者約300人のほか、郷里が同じ福岡県大川市となる歌手の大川栄策さんや、お笑い芸人の鉄拳さんも駆けつけて、「競馬界のレジェンド」の偉業を称えた。

45年前の1973年にデビューした的場騎手は、「的場ダンス」「的場追い」と呼ばれるダイナミックな騎乗スタイルで競馬ファンを魅了する存在だ。今年8月12日、大井競馬場で地方競馬通算勝利数を7152勝とし、日本記録を17年ぶりに更新した

「死、覚悟したことも」

的場騎手は祝賀会での挨拶で、「45年の間にはケガも数知れず。2007年には落馬の際に背中を馬に蹴られて脾臓と腎臓が破裂したため、さすがに死も覚悟しました」と苦労も振り返りながら、「僕を育ててくれた大井競馬場に恩返ししたい。まだまだジョッキーでいたいので、みなさん、ぜひ大井に来てください」と、まったく衰えていない競馬への情熱をアピールした。

故郷で馬と育った少年時代、挫折を味わったデビュー直後の様子も含めた、「最多勝」に至るまでの的場騎手の軌跡を、鉄拳さんが1338枚のパラパラ漫画に凝縮した「大井の帝王」が、祝賀会場では披露された。「的場さんの、がむしゃらに突き進む姿勢がとにかくすばらしく、なんだか励まされながら描きました」と、鉄拳さん。「大井の帝王」はTCKのウェブサイトや「youtube(ユーチューブ)」で公開されている。

日本中央競馬会(JRA)で通算4000勝以上を記録している武豊騎手、JRA女性騎手最多勝記録を更新している21歳の藤田菜七子騎手も、お祝いのビデオメッセージで、「勝利を決して諦めない的場さんの執念を、これからも見習いたい」「もっと乗り続けてください」などと話した。