ベネズエラ戦で代表デビューしたGKシュミット・ダニエル

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 代表デビューを飾ったベネズエラ戦(△1-1)から2日経ち、日本代表GKシュミット・ダニエル(仙台)のもとには約100件の祝福メッセージが届いたという。一夜明けた17日に「特に何もなかった」と素っ気なかったように、「100件といっても100人から来たわけではないですが」と淡々としていたが、反響はやはり大きい。

 さらにこの日は、16年に期限付き移籍でプレーした松本山雅FCの反町康治監督が自身について「頑張ってほしい」などコメントした記事を読んでうれしさが膨らんだ。「ソリさん(反町監督)に対して、僕が試合に出たことを質問してくれた記者がいて、いろいろ言ってくれていたのはうれしかった。ソリさんがすごく分析をする方だったので、そこでいろいろな戦法を学んだ。松本時代は大きかった」と笑みを浮かべた。

 細かな戦術指示で鳴る反町監督の下、頭の中の引き出しを増やし、17年からは仙台の渡辺晋監督の下、つなぐサッカーでプレータイムを重ねたことでビルドアップの技術が上がった。そこへきての代表デビュー。刺激的な場所でのプレーを経験したことで、シュミットには「海外には正直、今すぐにでも行きたい」と、はやる気持ちが芽生えている。

「家族のことや言葉のことなど、考えるべき問題があるし、プレーヤーとして欧州から必要とされるレベルじゃない。でも、まずは身を置くとか、そういうチャンスがあればいいなと思っている」。所属の仙台でも日本代表でも、他の選手と比べて太腿の露出部分が多いのが目立つ。短パンは大きなサイズのものを着用しているというが、どうしても短くなってしまうという。それも197cmという長身、足の長さを示すエピソードと言える。日本人の既成概念をも打ち破りそうな逸材は、キルギス戦までの数日間でもさらに成長していきそうだ。

(取材・文 矢内由美子)