三竿健斗(撮影:岸本勉/PICSPORT)

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それまで記者たちの質問に神妙な表情で答えていた三竿健斗が、「それ、聞かれたと言ってました」と急に笑顔になった。

質問の内容は前日の自主練習のときのこと。三竿は守田英正にボールを受けてスムーズにターンするプレーを教えてもらっていた。守田は前日、その練習について質問されていたので、そのことを三竿に伝えていたのだろう。

「(守田は)フロンターレのサッカーをやっててすごいいい選手だと思うし、ボールの引き出し方や扱い方を自分が習得すればもっとプレーの幅が広がると思ってて、いろいろ質問していました」

「人のいいところだったりどうしているのかを聞いて成長したいと思ってるので。みんなが伸びればどんどん相乗効果で周りも伸びると思うんで、学ぶ必要は大事かなと思います。普段なかなか聞けないから、そこ(日本代表)で聞いて盗もうかなと」

そう笑顔で答えていたのは、見られているとはあまり思っていなかったからだろう。代表の合宿中にでも成長したいという姿勢が伺えた場面だった。

そして森保一監督が「多くの選手を使いたい」と言っている以上、20日のキルギス戦ではベネズエラ戦で出場していない三竿が先発する可能性がある。そのときに三竿は少しでも進歩していることを見せる必要がある。

ベネズエラ戦の先発組、柴崎岳と遠藤航を見て、三竿はどう感じていたのか。「2人とも攻撃も守備も出来ると思っていて、バランスもいいと思いますし、そこは超えなきゃいけない壁だと思います」。三竿はそう認めつつ、「違う味を出せれば」と意気込んだ。

「2人とも前に行く回数が多いですけど、僕はどちらかというとセンターバックの前でリスク管理をしたり安定感をもたらすというのがウリなので。守備的なポジションでプレーしている選手が『アイツがいるとやりやすい』と思ってくれたらと思います」

三竿が狙うのはいぶし銀のプレー。そしてボールを貰ったときのスムーズなターンも見所になるだろう。

【森雅史/日本蹴球合同会社】