話題のドコモ カードケータイ試用レビュー。テザリングはできるも電池持ちに不安
ドコモが11月下旬に発売予定の世界最薄・最軽量をうたう「カードケータイ KY-01L」。ガジェット好き、小型端末好きからも注目度が高い機種ですが、2週間ほど利用する機会があったので、その中で感じた点などをお伝えしたいと思います。

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なお、利用したのはレビュー用の開発機のため、製品版とは仕様が異なる可能性もあります。その点はご留意ください。

カレンダーやメモ帳は外部と同期できない仕様


また、最初に断っておくと、筆者は音声通話をほとんど利用しません。メインのスマートフォンでも、1か月に1回使うかどうかのレベルで、仕事もプライベートな要件も、ほぼメッセンジャーやメール、SNSで済ませてしまいます。このため、本稿では、本来はカードケータイの主な機能の1つとなる、通話についての使い勝手に関してを評価していません。

それ以外の部分に目を向けてみると、カードケータイで利用できる機能は、「電話」「連絡先(電話帳)」「メッセージ(SMS)」「カレンダー」「時計」「電卓」「ウェブ」「メモ帳」の8つ。加えてテザリングも利用できます。


▲ホーム画面


この中で、ちょっと予想外だったのが「カレンダー」「連絡帳」「メモ帳」の3つです。電話として使わなくても、スケジュールがすぐに確認できるのは便利そうだ、と思っていたのですが、実はこの3つ、他のどのサービスとも同期できず、カードケータイ内のみの機能となっています。

冒頭でも紹介したように使用したのは開発機だったため、ひょっとすると製品版ではdアカウントで同期できたりするのかもしれませんが、このままだとするとちょっと使い勝手は悪いです。ただ連絡先だけは、同期とまではいきませんが、データのインポートやエクスポートが可能です。


▲カレンダー(左)とメモ帳(右)

一応、Googleカレンダーやタスクなどをブラウザから利用することはできるので、こちらを使えば、他のスマホなどと連携したスケジュール管理などに使えなくもないです(アプリは利用できません)。



※スクリーンショットはカラーで取得できますが、雰囲気を合わせるためにモノクロに加工しています



テザリングは利用可能


カードケータイのもう一つのメイン用途となりそうなのが、テザリング。こちらは問題なく利用できました。



ただテザリングのON/OFFが設定メニューをたどらないとできないのは、面倒と言えば面倒。ぜひホーム画面にショートカットを設定できるようにしてほしいところです。

設定メニューの構成は通常のAndroidとほぼ同じ。テザリングは、「設定 > 無線とネットワーク > テザリング」からON/OFFします。


▲テザリング中かどうかはVoLTE表示横のアイコンでわかります

ただし、ここで問題になるのが、バッテリー駆動時間です。テザリングの利用中は、バッテリーの持ちがすこぶる悪くなります。テザリングがONになっていると、たとえ他の機器が接続していなくても、バッテリーは10分で5%ほど消費されていく感じです。

テザリングが利用できるのは、長くてもおよそ3時間。これをメインのWi-Fiルーターと考えるには、少し厳しいかもしれません。



まとめ


ガジェット好きには注目度が高い端末ではありますが、実用性を考えると万人が満足できるものではないでしょう。緊急時のWi-Fiルーターとしては使えなくもないですが、それこそスマートフォンでいいのではという気もします。ただ、今回試していない通話機能がメインの使い方であれば、軽量で持ち運びやすく、使い勝手はよさそうです。

今回評価した限りではまだまだ改善の余地があるのは確かですが、新しい機能や用途というのは、こういう尖った端末から見出されていくのかもしれません。今後もぜひ後継機を出していって欲しいところです。