SIMカードの新しい使い方? エックスモバイルの社長が「シム名刺」を発明
17日に開催された「八王子変態端末オフ6」にて、格安スマホ(MVNO)サービスを提供する「X-mobile」の木野将徳社長が、新製品(?)となる「シム名刺」を披露しました。

名刺型プリペイドSIMカード」と名付けられたこのアイテムは、名刺としての機能をもちながら、SIMカードとして通信もできるという画期的な製品。SIM部分はX-mobileの通信サービスを利用できるプリペイドSIMとなっており、容量は500MBで、3日間まで使える仕様です。

「SIMってなに?」を簡単に伝えられる


X-mobileは、格安SIMサービスを運営するショップを全国に展開するMVNO。木野社長は地方に多くショップを展開し、地域に根差した運営でユーザーを集めていると紹介します。

ベンチャー企業ながら、怒涛の店舗展開を続けるX-mobile。開業3年目にして全国にオープンした店舗は100店舗近くになっているといいます。店舗経営はフランチャイズ方式を取っており、木野社長の主な仕事は、X-Mobileショップのオーナーになってもらうために地域をめぐって有力者と交渉すること。今年1年の出張は全国で700回にも及んだといいます。

▲エックスモバイルの木野将徳社長

そんな木野社長の悩みは、「格安SIM」というサービスの説明が難しいこと。大手のMVNOもショップを構えていない地域では、地元の有力者でも「格安SIM」を知らない人が多いといいます。

そうした経緯から発明されたのが「シム名刺」。木野社長はスティーブ・ジョブズが初代iPhoneを発表したプレゼンテーションになぞらえて「名刺、SIM、スピードテストが1つに」と発表しました。


1万枚作って1枚999円


木野社長はシム名刺のメリットを、名刺として渡した後「SIMってなに?」という説明にスムーズに入れる点、さらに実演することで「格安SIMだとスピードが遅くなるんでしょ?」という疑問も応えられる点と紹介。そしてシム名刺のもう1つのメリットとして「捨てられないこと」と説明しています。


▲「シム名刺」の裏面には「本USIMカードの所有権は、株式会社インターネットイニシアティブに帰属します」という表記が

このシム名刺、元はX-mobileのMVNE(回線貸出元)のIIJが印刷しているプリペイドSIMとなっています。そのコストは、「試作品の原価は1枚1999円だったが、1万枚単位で印刷したら999円まで下がった」(木野社長)としています。なお、外販の予定はないそうです。

格安SIM会社の社長」という木野社長だから意味がある、かなりニッチな使い方と言えそうですが、自社サービスをアピールするインパクトは抜群。SIMの新しい使い方を見た気がします。そして確かに、これは捨てられない......。