松本、ドローも悲願のJ2優勝&J1昇格! 2位・大分も来季J1の舞台へ! 大宮が菊地弾で逆転PO進出!《J2》

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明治安田生命J2リーグ最終節の11試合が、17日に各地で行われた。

泣いても笑っても残されたのは1試合。優勝の可能性を残す4チーム、そして、J1参入プレーオフの残り2枠を3チームで争う大混戦の最終決戦全試合が14時に一斉にキックオフを迎えた。◆松本山雅FCvs徳島ヴォルティス

サンプロアルウィンで行われた首位・松本山雅FC(勝ち点76)vs11位・徳島ヴォルティス(勝ち点55)は、ゴールレスドローで終了。それでも他会場の結果により、松本の悲願のJ2優勝とJ1昇格が決定した。

勝利すれば無条件でJリーグ参入後初タイトルと4年ぶりのJ1昇格を手にする松本は9分、敵陣中央左でボールを持った石原がボックス内へスルーパス。走り込んだ高崎がGKとの一対一を迎え、左足でシュートを放つが、ボールはゴール右外へと外れてしまう。

悲願に向けて松本は試合を優勢に進めて、高崎をターゲットにチャンスを作るが、なかなかゴールネットを揺らすことができない。すると、松本に暗雲立ち込めるアクシデント。37分にプレスバックで相手DFからボールを奪ったセルジーニョが右ヒザを捻ってしまい、プレー続行不可能に。セルジーニョは涙を浮かべながら、途中交代。松本は中美をスクランブル投入した。

ゴールレスで試合を折り返すと、松本の優勝を阻みたい徳島がピーター・ウタカを起点にチャンスを作り始める。それでもゴールを許さない松本は66分、岩上の左CKは相手にクリアされるがこれをボックス中央やや右で拾った田中が右足ボレー。しかし、右ポストに直撃し、決めきることができない。

松本はその後高崎に代えて永井を投入し、ゴールを目指したが、最後まで徳島の牙城を崩すことができず。試合はそのまま0-0で終了。それでも山形vs大分、町田vs東京Vが1-1で終わったことで、松本のJ2優勝とJ1昇格が決定した。◆モンテディオ山形vs大分トリニータ

NDソフトスタジアム山形で行われた12位・モンテディオ山形(勝ち点55)vs2位・大分トリニータ(勝ち点75)は、1-1の引き分けに終わった。それでも大分がJ1自動昇格を決めている。

勝利すれば自力でのJ1自動昇格が決定し、J2優勝の可能性も残している大分は19分に先制点を奪う。岩田が敵陣中央浅い位置からドリブルでボックス右まで侵攻し、中央へ折り返す。これがファーサイドに抜けると、最後は走り込んでいた星が右足を振り抜き、ゴール右へと蹴り込んで貴重な先制点を奪う。

逆転優勝に向けて大きなゴールを奪った大分は36分、先制点を奪った星野の左CKを中央で競り勝った三平がヘディングシュート。しかし、これはクロスバーに直撃してしまう。

大分リードで迎えた後半、山形が反撃に出る。53分、FKの素早いリスタートから三鬼がポストしてボールをボックス右へ。走り込んだ熊本がシュートを放つが、シュートはクロスバーの上へと外れる。

逃げ切りたい大分は、その後山形に押し込まれる苦しい時間帯が続く。すると、山形は後半アディショナルタイム1分、中盤の南のパスがボックス内で混戦に。中山がシュートを放つが、ここは相手DFのブロックに阻まれる。それでもボックス手前中央やや右にこぼれたボールをアルヴァロ・ロドリゲスが左足を一閃。強烈なシュートはブロックに入った相手の足に当たるも、そのままゴール左に吸い込まれた。

山形がホームの意地を見せると、試合は1-1の引き分けで試合終了。大分は優勝こそ逃したものの、町田が東京Vに引き分けたことで、J1自動昇格を手にした。

◆FC町田ゼルビアvs東京ヴェルディ

町田市立陸上競技場で行われた3位・FC町田ゼルビア(勝ち点75)vs5位・東京ヴェルディ(勝ち点70)は、1-1の引き分けに終わった。

J2優勝の可能性を残す町田と、ポイントロスをした場合プレーオフ進出を逃す可能性のある東京V。町田がJ1ライセンスを保持していないことから、J1リーグで17位以下が確定しているV・ファーレン長崎のほか、残留争いに巻き込まれているJ1クラブも注目する一戦となった。

試合は序盤からホームの大歓声の後押しを受ける町田がドウグラス・ヴィエイラ不在の東京Vゴールに迫る。3分、山内の落としを受けた井上がボックス手前から一人かわしてボックス手前から左足でミドルシュート。しかし、これはGK上福元の正面に。25分にもボックス手前で浮き球のパスを収めた山内が身体を張ったキープから右足を振り抜くが、ここもGK上福元のセーブに阻まれてしまう。

ここまで押し込まれていた東京Vは48分、アラン・ピニェイロからパスを受けた奈良輪がボックス右外からクロス。中央の林陵平が頭で合わせたが、ゴール左へと外してしまう。62分には井上の左CKにニアサイドに走り込んだ井林が足裏で合わせるも、これも枠を捉えられない。

それでも東京Vは76分、サイドチェンジを受けた田村が右サイドハーフウェイラインを越えたあたりからボックス右に絶妙な浮き球スルーパスを供給。これに林陵平が抜け出し、飛び出したGK福井よりも先に触ってループシュートで一対一を制した。

プレーオフ進出に大きく近づく先制点を奪った東京V。しかし、J2優勝へ負けられない町田も反撃に出る。すると82分、ボックス右外でパスを受けた酒井がボックス右にスルーパス。走り込んだロメロ・フランクが体を強引に捻りながら中央へ。最後は大谷が右足を振り抜き、ゴール左へ突き刺した。

試合は1-1の同点で試合終了。町田はJ2優勝ならず。一方の東京Vは、大宮が岡山に1-0で勝利したため、6位後退となったものの、福岡がFC岐阜にゴールレスで引き分けたため、プレーオフ進出が決定した。◆ヴァンフォーレ甲府vs横浜FC

山梨中銀スタジアムで行われた8位・ヴァンフォーレ甲府(勝ち点59)vs4位・横浜FC(勝ち点73)は、1-0で横浜FCが勝利した。

すでにプレーオフ進出が決定し、わずかにJ2優勝の可能性がある横浜FCだったが、40分にレアンドロ・ドミンゲスが足を負傷。そのまま担架でピッチの外に運ばれ、野村と途中交代した。それでも横浜FCは64分、左サイドからのイバのクロスに齋藤功佑が合わせる。しかし、GK岡の好守に阻まれてしまう。

それでも迎えた70分、チャンスを決めきれなかった齋藤功佑が挽回する。横浜FCが右サイド敵陣深い位置でFKを獲得。これをキッカーの永田が中央にクロスを送ると、GK岡に弾かれたが、こぼれ球をボックス中央やや右の齋藤功佑がスライディング気味に右足を合わせ、ゴールネットを揺らした。

結局このゴールが決勝点となり、横浜FCが1-0で勝利し、順位を3位に上げてシーズンを終えた。◆FC岐阜vsアビスパ福岡

岐阜メモリアルセンター長良川競技場で行われた19位・FC岐阜(勝ち点41)vs6位・アビスパ福岡(勝ち点69)は、ゴールレスドローで終わった。

プレーオフ圏外の7位・大宮に勝ち点1差で追われており、勝利すれば自力でのプレーオフ進出が決定する福岡だったが、下位の岐阜に押し込まれる展開に。後半には山瀬、レオ・ミネイロ、森本と立て続けに投入して、最後までゴールを狙ったが、ゴールレスで試合終了。

最後までゴールを奪うことができなかった福岡は、岡山vs大宮の一戦で大宮が1-0で勝利したため、7位転落。最終節にしてプレーオフ進出を逃した。◆ファジアーノ岡山vs大宮アルディージャ

シティライトスタジアムで行われた14位・ファジアーノ岡山(勝ち点53)vs7位・大宮アルディージャ(勝ち点68)は、1-0で大宮が勝利している。

マテウス不在の中、プレーオフ進出に向けてなんとしても勝利したい大宮だが、長澤監督の退任が発表され、ラストゲームを勝利で飾りたい岡山の勢いに押し込まれてしまう。すると、大宮は52分、嶋田がこの日2枚目のイエローカードで退場に。勝ち点3が欲しい大宮は一人少ない苦しい状況を強いられてしまう。

プレーオフ出場へ嫌な雰囲気が漂う大宮。しかし67分、右サイド敵陣深い位置でFKを獲得すると、キッカーの大前がクロスを選択する。これを酒井が頭で合わせるも、ここはGK一森に弾かれる。それでもこぼれた浮き球を菊地が反応し、頭で押し込んで先制点を奪った。

貴重な先制点を奪った大宮は、その後数的不利の影響により、岡山の猛攻を受けることに。それでも最後までゴールを許さず、1-0でシャットアウト。この結果、町田vs東京Vが1-1、岐阜vs福岡がゴールレスドローで終わったため、大宮が5位浮上と共に逆転でのプレーオフ進出を勝ち取った。なお、21位のロアッソ熊本は、愛媛FCに3-0で勝利。22位のカマタマーレ讃岐は、京都サンガF.C.に0-2で敗れた。この結果、讃岐のJ3降格が決定し、21位でシーズンを終えた熊本の残留は、J3で現在J2自動昇格枠の2位・鹿児島ユナイテッドFCに勝ち点3差で3位につけ、来シーズンのJ2ライセンスを持たないアスルクラロ沼津の最終順位に託されることとなった。

◆明治安田生命J2リーグ最終節

11/17日(土)

モンテディオ山形 1-1 大分トリニータ

ジェフユナイテッド千葉 0-0 栃木SC

FC町田ゼルビア 1-1 東京ヴェルディ

ヴァンフォーレ甲府 0-1 横浜FC

松本山雅FC 0-0 徳島ヴォルティス

アルビレックス新潟 0-2 レノファ山口FC

ツエーゲン金沢 3-1 水戸ホーリーホック

FC岐阜 0-0 アビスパ福岡

ファジアーノ岡山 0-1 大宮アルディージャ

カマタマーレ讃岐 0-2 京都サンガF.C.

ロアッソ熊本 3-0 愛媛FC